
本書では株を始めようという人、株初心者そして経験者まで、現在、どのようなレベルにいる人でも納得できるテクニカル、利益を生むテクニカル、そして既存のチャートの読み方とは異なる新鮮な判断方法を紹介していきます。みなさんは、何百冊とある本の中から、興味を惹かれてこの本を手に取ったことでしょう。これは、ボクとの運命の出会いです。ぜひこの出会いを無駄にしないでいただきたいのです。

株取引の根拠となる「何か」を見つけることだ。財務状況をもとに株価を予想するファンダメンタルズ分析、過去の株価の変動をもとに今後を予想するテクニカル分析、株に関連するさまざまな事柄を勉強した。上がったり下がったり、ときには並行だったり、株価のうねりがわかるチャート。そこに秘密が隠されている気がして、さまざまな企業のチャートに目を通した。するとチャートから見えてくるものがあった。
チャートの上昇と下落には再現性がある

東証一部上場の金融株の過去10年間のチャートを、ひたすら見つめ続けた。最初に見えてきたのは、どの銘柄も下落は早いが上昇のスピードは遅いということだ。上がるときにはだらだらと3ヵ月くらいかけて上昇していくのに、下がるときはストンと1~2ヵ月で落ちている。
「空売り」とはどんな投資法なのか?

空売りは信用取引独特の投資法です。信用取引では資金のほかに株を借りることができます。空売りとは証券会社から株を借りて売る投資法です。つまり、自分が保有していない株を売るから「空売り」というのです。空売りを一言でいうなら、証券会社から株を借りて売り、株価が下がったところで買い戻し、その差額を得るという取引です。
投資家心理まで読み取れる「ローソク足」はイロハのイ

チャートは投資する銘柄を選ぶときにも、判断の最大基準になります。上昇や下落、横ばいなどの局面がわかりやすい「きれいなチャート」がその銘柄に投資するかどうかの決め手になるからです。1日の株価の動きの中で、その日の高値や安値はヒゲとなって示されます。このヒゲからは株価の上昇下落のタイミングや投資家の心理までも読み取ることができます。
「移動平均線」もあわせて要チェック

チャートを見るときに、ローソク足と組み合わせて使用してほしいのが「移動平均線」です。これは、ある期間の株価の終値で平均値を計算し、 その平均値を結んだもので、折れ線グラフで表されます。チャートは、ローソク足と移動平均線をペアで見ることが必須です。
3つの局面を読み解く

現在の株価が、上昇・下落・横ばい(揉み合い)の3つのトレンドのどこにあるかはぜひ意識してほしいことです。判断の重要なポイントは、「移動平均線」です。株価が揉み合って、横ばいになっていると、その後、必ず上昇か、下落か、どちらかの局面になります。その周期はだいたい、横ばいと上昇が2~3ヵ月、下落は1~2ヵ月です。株価が上下に大きく変動するのは1年間に2、3回ほどです。