発売日 2019年06月06日(木)

定年をどう生きるか

著者名:岸見一郎(著者)

¥830(税別)

ISBN:
978-4-7973-9997-4
サイズ:
新書
ページ数:
208
付録・付属:
-

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著者紹介

著者・岸見一郎

哲学者。1956年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的に執筆・講演活動を行っている。著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(ともに古賀史健と共著、ダイヤモンド社)、『アドラー心理学入門』(ベスト新書)、『生きづらさからの脱却』(筑摩選書)、『アドラーをじっくり読む』(中公新書ラクレ)、『幸福の哲学』(講談社現代新書)、『老いる勇気』(PHP研究所)、『成功ではなく、幸福について語ろう』(幻冬舎)、『プラトン ソクラテスの弁明』(角川選書)など多数。

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  • 「哲学」「精神論」からの定年後の処世術

    4.0
    如月五月

     これまで30冊以上は定年後の生き方をテーマにしたシニア本を読んできたが、どの書籍とも方向性というかアプローチの方法が異なるという点では、異色の内容である。 「はじめに」にあるように著者は、定年を「人はなぜ生きるのか、どう生きるのかという哲学の中心的なテーマについて考察している」点で他の定年本とは異なる、と説明している。 第二章では、定年で仕事を失って焦りを感じる人には「生きていること自体が働いていることであると考えれば、定年後も仕事をしていないということにはならない」(p67)と指摘している。 言い換えると「自分の価値は何かをしていることではなく、生きていることにある」(p95)ということだ。 仕事一筋で定年を迎えたオジサンが「あなたは生きているだけで価値がある」と切り出されても、「ハイ、そうですか」とは納得できない人も多いと思うのだが、著者によればこの発想の転換は定年後の人生に不可欠のようだ。 また著者は、定年はそれまで「上下」が中心だった対人関係を「対等」なものにするいい機会、とも指摘している。こちらについては私も、定年は会社組織における「公」の関係や立場を捨て去り、「個」としての社会的な立ち位置を再確認・再設定すべきだと思っているので、素直に同意したい。 ただこの話の延長線で、第四章の「他者を愛し始めることによってのみ、自己中心性から脱却し、そこから解放される」(p156)とまで発展すると、さすがに私には付いていけない。こうなるともはや「精神論」というか一種の「宗教」ではないだろうか。 続く第五章では、「生きることについては、善悪無配ではなく、絶対の善とするべき」(p178)とまで言い切っている。 正直ここまでくると「もういいや・・」となったのだが、第六章では具体的な定年後の日々の過ごし方という、一転して実用的な内容となる。例えば「料理」「読書」などの効用を説いている。これが意外にも読ませる話なのである。 どうにも著者の思考回路が理解しにくいのだが、展開が急なので「想定外」という表現が妥当かもしれない。 というわけで、巷の定年本とはかなり趣旨の異なるのは確かで、好き嫌いはかなり分かれると思う。個人的には共感できない部分もあったが、たまにはこういう新たな視点の定年考察本に触れるのも悪くないとは感じた。

  • 今を最高に楽しく生きる考え方を伝授!

    5.0
    mountainside

    著者はアリストテレス哲学を引用しながら老後の生き方を伝授する。「キネシス」ー目的と終わりを定めた、目的達成のための時間を否定し、「エネルゲイア(現実態)」ー目的も終わりもなく今この瞬間を全力で生きることを提唱する。「全力」とはパワー全開ではなく、「今この瞬間を最高に楽しむ」生き方である。アリストテレスは、人間の幸福とは快楽の追求にあると見なした。それは欲望にまみれて当てもなく生きることではない。理性的観想(テオリア)の生活だ。自分の人生を見直し、省察しながら幸福を見出だす生き方である。避けて通れない老いや病、他者の死、体力や気力の衰えがある。しかしそれらをどれだけ気にしても問題は解決しない。自分の死も予測出来ない。であるなら、今この瞬間を楽しく生きるしかないではないか。趣味に没頭するのも良い。学問や芸術に打ち込むのも良い。自分のやりたいことを楽しむ毎日こそ最高の人生だ。そうした生き方が人の役に立つものであればさらに良いと著者は言う。その通りだと言う。金銭や成功体験が人生の目的ではない。アリストテレスの思索が老後の人生を導いてくれる。お勧めの一冊だ。

  • せっかくのアドラー心理学による定年論も、文章自体が読みにくい

    3.0
    mizusumashi

    著者の文章は読みにくいです。"嫌われる勇気"で、古賀史健という名ライターの文章で、軽やかに頭の中に入ってきたアドラー心理学が、この本では霧の中に入ったように頭の中に入ってきません。なぜだろうと思いながら、読んでいて、ある文で答えを見つけました。それは、著者の文章には接続詞のバリエーションが少なく、読点だけで続けられた140字もの長文が現れる(P94)など、著者の文章そのものに問題があるのではと思えました。読点自体も少な目なので、読みづらさが増しています。<読書メモ>◯会社に属さなくなると、誰からも注目されなくなる。◯あらゆる対人関係は対等である。◯未来を手放せば不安から自由になることができる。◯また今変わるのであれば、過去も手放さなければいけない。◯人間の価値を生産性で見ない。 <--何かをしないといけないという思いから脱却しなければいけない。◯哲学は本来学問ではなく、知を愛するという意味。◯仕事を辞めたら、必ず何か生きがいを見つけないといけないと考えるのは、仕事の呪縛から逃れられていない。<--何かをしなければならないと考えると、それは義務になる。◯普通であることは、ありのままの自分であること。<--人の評価を気にしない。◯「自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持てる」◯「自分の価値は何かをしていることではなく、生きていることにある」◯仕事には必ず自分の代わりになる人がいる。◯仕事の本質は他者貢献。◯貢献感は自分で感じるもので、会社が押し付ける場合は「貢献感の搾取」◯幸福は存在である、つまり何も成し遂げていなくても、人は幸福で「ある」◯他者を愛することによってのみ、自己中心性から脱却し、そこから解放される。◯他者を愛することによって、自分の意のままにならない他者の存在に気づく。 しかし、その意のままにならない他者が敵ではなく、仲間であることに知る。◯他者を敵ではなく対等の存在と見られない限り、定年後の人生はつらいものになる。◯成功は量的なものであるのに対し、幸福は質的なものだ。◯老いは変化であって、退化ではない。◯定年後であろうとなかろうと、人生のどの段階にあっても、今だけを生きるしかない。読書メモにもあるように、この本から得ることが出来たことも多数あります。”嫌われる勇気”にはでてこなかった概念も多いです。この本ではアドラーの思想の他に、三木清の思想も度々でてきます。三木清を知ったのも収穫でした。しかし、先に書いたように、読みにくい文章なので、読み続けるのに努力が必要です。多くの新しい概念を得ることが出来て得るものも多かったですが、せっかくのアドラー心理学という視点からの定年論なのにという、残念な思いがわく読後感でした。

すべての28つのレビューを表示

  • 団塊シニア

    人間の価値はなにかを達成しないと成功でなく生きるということ、会社に行かなくても生きているということ自体が働いてることと考えればいいという作者の言葉には納得できる。 続きを読む

  • マーク

    2019年読了。これは少々気持ち悪い。偏った分析、平面的な類型化。全ての定年者が、役職、過去実績に頼って、他の人を顧みない訳じゃない。むしろ相当少数派。著者の偏った経歴が要因か?このような人物にカウンセリングされたらたまらないな。 続きを読む

  • coldsurgeon

    定年をまじかに控え、どう生きるかを考えながら、読む。定年となることが特別なことでなく、また衰退への一歩というわけではない。一つの変化ととらえ、今日という日を今日という日のために生きるという姿勢をとることが重要だ。生きるということは、良く生きるということであり、幸福であるという状態を感じて生きることでもある。対人関係を作りながら、読書を楽しみ、地に足がついた生き方をすることが大切だ。人間の価値は生産性にあるのではなく、生きることにあるという言葉に、勇気づけられる。 続きを読む

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