
おすすめのポイント
自閉スペクトラム症、ADHD……
診断名よりも大切なこと
診断名はあくまでもその子の一部にしか過ぎません。「自閉スペクトラム症のAくん」「注意欠如・多動症(ADHD)のBちゃん」といった視点よりも、大切なのは、その子の目線にまで達して、気持ちを想像してみること。本書では、「発達障害」と診断される可能性のある子どもたち12のストーリーを例に、その子の気持ちを想像し、困っていることを探り、「仮の理解」を行う過程を解説。わが子の「不可解」な行動に、悩める親や支援者を応援する一冊です。
【「はじめに」より】
この本は、わが子の育ちを心配する保護者の方々に手に取ってもらえたら、読んでいただけたら、という思いで作りました。
すでに、発達障害について解説する本は、たくさん書店に並んでいます。飽和状態に近いと思っています。
その中で本書は、もしかしたら、わが子には「発達障害」という診断が付くのではないだろうか、あるいは周囲からの指摘に、思い悩み、漠然とした「不安」を抱えた保護者の方々に読んでいただけら、という思いで作りました。
<中略>
診察室では、時間もいただけますし、出会いを重ねることもできます。そして実際の診察室での話は、これ以上に生活状況は錯綜し、複雑になっているものです。なかなかきれいには収束しません。
でも、だからこそ、僕たちは日々の臨床で試行錯誤し続けます。
第1部 子どもの心と行動を理解したい!
ストーリー1 かんしゃくが激しい、ひろゆきくん(1歳8か月)
ストーリー2 寝ない、食べない、けんたくん(2歳1か月)
ストーリー3 言葉がなかなか出ない、たかしくん(3歳0か月)
ストーリー4 頑固な、ゆかりちゃん(3歳4か月)
ストーリー5 クラスにいられない、かなちゃん(3歳10か月・年少児)
ストーリー6 友達に手が出てしまう、さとしくん(4歳6か月・年中児)
ストーリー7 生活習慣がなかなか身につかない、みきちゃん(5歳2か月・年長児)
ストーリー8 就学先に迷う、かいとくん(6歳半・年長児)
ストーリー9 授業中座っていられない、たいきくん(7歳・小学1年生)
ストーリー10 計算が極端に苦手な、みのるくん(9歳・小学3年生)
ストーリー11 不登校気味の、ゆうきくん(11歳・小学5年生)
ストーリー12 人間関係がうまくいかない、ゆいちゃん(12歳・小学6年生)
第2部 医療の役割――「診断名」を超えてその子に近づく
①子どもの発達の診立て
②家族の診立て
③これまでの整理とこれからの見通し


子どもの「不可解」な行動の理由を探る12のストーリー
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まずは子どもの気持ちを想像してみよう。
5.0ガンちゃん飽和状態に近い発達障害について解説した本のなかでも、頭一つ抜き出た本書に出会えたことに感謝します。子どもの言動の「仮の理解」・相談者の思いに近づく・かかわりの言葉・その子の「押さえどころ」・最後に「その子の心と行動に寄り添うヒント」がまとめられています。12人の子どもたちのストーリーは、「乳児期」「幼児期」「就学期」「学童期」オマケの「青春期」のライフステージに生じるさまざまなことが実によく考えられています。本のタイトルに込められた田中康雄先生の思いがずっしりと伝わってきます。教育や子どもの支援に携わる方も第1部「子どもの心と行動を理解したい!」から読むことをお勧めします。第2部「医療の役割」から読んでも、第1部のストーリーが気になって結局は最初から読むことになります。子どもの育ちに思い悩み不安を抱える保護者をはじめ、学校関係者や支援に携わる多くの方々にぜひ読んでいただきたいと思います。
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