「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する
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(「多動性障害(ADHD)」「障害児教育ノンフィクション」「学習障害(LD)」2018.11.30~12.12)
自閉スペクトラム症、ADHD……
診断名よりも大切なこと
診断名はあくまでもその子の一部にしか過ぎません。「自閉スペクトラム症のAくん」「注意欠如・多動症(ADHD)のBちゃん」といった視点よりも、大切なのは、その子の目線にまで達して、気持ちを想像してみること。本書では、「発達障害」と診断される可能性のある子どもたち12のストーリーを例に、その子の気持ちを想像し、困っていることを探り、「仮の理解」を行う過程を解説。わが子の「不可解」な行動に、悩める親や支援者を応援する一冊です。
【「はじめに」より】
この本は、わが子の育ちを心配する保護者の方々に手に取ってもらえたら、読んでいただけたら、という思いで作りました。
すでに、発達障害について解説する本は、たくさん書店に並んでいます。飽和状態に近いと思っています。
その中で本書は、もしかしたら、わが子には「発達障害」という診断が付くのではないだろうか、あるいは周囲からの指摘に、思い悩み、漠然とした「不安」を抱えた保護者の方々に読んでいただけら、という思いで作りました。
<中略>
診察室では、時間もいただけますし、出会いを重ねることもできます。そして実際の診察室での話は、これ以上に生活状況は錯綜し、複雑になっているものです。なかなかきれいには収束しません。
でも、だからこそ、僕たちは日々の臨床で試行錯誤し続けます。
第1部 子どもの心と行動を理解したい!
ストーリー1 かんしゃくが激しい、ひろゆきくん(1歳8か月)
ストーリー2 寝ない、食べない、けんたくん(2歳1か月)
ストーリー3 言葉がなかなか出ない、たかしくん(3歳0か月)
ストーリー4 頑固な、ゆかりちゃん(3歳4か月)
ストーリー5 クラスにいられない、かなちゃん(3歳10か月・年少児)
ストーリー6 友達に手が出てしまう、さとしくん(4歳6か月・年中児)
ストーリー7 生活習慣がなかなか身につかない、みきちゃん(5歳2か月・年長児)
ストーリー8 就学先に迷う、かいとくん(6歳半・年長児)
ストーリー9 授業中座っていられない、たいきくん(7歳・小学1年生)
ストーリー10 計算が極端に苦手な、みのるくん(9歳・小学3年生)
ストーリー11 不登校気味の、ゆうきくん(11歳・小学5年生)
ストーリー12 人間関係がうまくいかない、ゆいちゃん(12歳・小学6年生)
第2部 医療の役割――「診断名」を超えてその子に近づく
①子どもの発達の診立て
②家族の診立て
③これまでの整理とこれからの見通し