
次世代に受け継ぐべき
本当にたいせつな財産とは何か?
コロナ禍で絶望の淵にある日本人へ――
作家が今どうしても伝えたかった渾身のメッセージ!
魚の食べ方から戦争の記憶まで。
人と人の見えないつながりを語った
五木エッセイの真骨頂、緊急刊行。
第 1 章 こころの相続とは何か?
なぜいま相続を考えるのか
魚の食べ方も相続
お金や土地より大切なこと
見えない相続が人をつくる
喋り方も仕草も贈与
集団で想いをつなぐ
風化する戦争体験
第 2 章 親からの相続を考える
父親の記憶
「記憶の相続」がないという後悔
親は歩いた道を子に物語るべし
父親からの見えない相続
幼児期の思い出こそ財産
人間はため息から出発する
「偉い父、立派な母」を見せる必要はない
養生の相続
子孫には美田を遺さず
第 3 章 相続するもの しないもの
芸や文明も相続の大事なもの
文字ではなく肉声で
「桜」から「梅」の時代へ
手垢のついたものにこそ価値がある
時代を引き受ける覚悟
命がけで守った信仰
念仏の精神が都市をつくった
相続を拒否する恐ろしさ
移転で途切れる精神
相続しないほうがいい「反相続」
第 4 章 記憶力よりも回想力
回想は下山期にこそ
ガラクタを捨ててはいけない
歌も回想の憑代
同じ話でもかまわない
相続を受ける作法
面授で伝える
押しつけにならない工夫
歴史には裏街道がある
話したがらない話こそ資産
第 5 章 日本人としての相続とは
民族文化という宝
デザインや車にも相続がある
若者と高齢者をつなぐ
時代に刻印された相続
泣けなくなった日本人
第 6 章 いまこそ記憶の相続を
大局より一人の兵士
それはほんとうだろうか
歴史がちがっているという感覚
個人の体験こそ戦争の真実
歴史の表と裏