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こころの相続

五木寛之:著者

330万部ベストセラー「大河の一滴」が今また話題!
国民的作家、その真骨頂!
未曽有の時代に、作家がもっとも伝えたいこととは

「遺産」とはお金や土地ばかりではない。
私たちが相続するものは、経済的な「形あるもの」ばかりなのか。
人との挨拶の仕方、お礼の言い方、そのほか数えきれないほどのものを、私たちは相続しているのではないか。いまこそ「形なきもの」の中にある大切な相続財産に目を向けよ。
「魚の食べ方」という身近なエピソードから出発し、両親との記憶、日本の文化や戦争へと広がっていく話題。コロナで人と人のつながりが問われるいま、90歳に手が届く年齢となった作家が、深い思索と洞察から導きだした渾身のメッセージ。
あなたは何を遺しますか――?

【本書の目次より】

第1章  こころの相続とは何か?

第2章  親からの相続

第3章  相続するもの しないもの

第4章  記憶力よりも回想力を

第5章  日本人としての相続

第5章  未来への歴史の相続

定価:946円(本体860円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2020年7月7日(火)
  • ISBN:978-4-8156-0401-1
  • サイズ:新書
  • ページ数:208
  • 付録:-

次世代に受け継ぐべき
本当にたいせつな財産とは何か?
コロナ禍で絶望の淵にある日本人へ――
作家が今どうしても伝えたかった渾身のメッセージ!

魚の食べ方から戦争の記憶まで。
人と人の見えないつながりを語った
五木エッセイの真骨頂、緊急刊行。

第 1 章 こころの相続とは何か?
なぜいま相続を考えるのか
魚の食べ方も相続
お金や土地より大切なこと
見えない相続が人をつくる
喋り方も仕草も贈与
集団で想いをつなぐ
風化する戦争体験
第 2 章 親からの相続を考える
父親の記憶
「記憶の相続」がないという後悔
親は歩いた道を子に物語るべし
父親からの見えない相続
幼児期の思い出こそ財産
人間はため息から出発する
「偉い父、立派な母」を見せる必要はない
養生の相続
子孫には美田を遺さず
第 3 章 相続するもの しないもの
芸や文明も相続の大事なもの
文字ではなく肉声で
「桜」から「梅」の時代へ
手垢のついたものにこそ価値がある
時代を引き受ける覚悟
命がけで守った信仰
念仏の精神が都市をつくった
相続を拒否する恐ろしさ
移転で途切れる精神
相続しないほうがいい「反相続」

第 4 章 記憶力よりも回想力
回想は下山期にこそ
ガラクタを捨ててはいけない
歌も回想の憑代
同じ話でもかまわない
相続を受ける作法
面授で伝える
押しつけにならない工夫
歴史には裏街道がある
話したがらない話こそ資産

第 5 章 日本人としての相続とは
民族文化という宝
デザインや車にも相続がある
若者と高齢者をつなぐ
時代に刻印された相続
泣けなくなった日本人

第 6 章 いまこそ記憶の相続を
大局より一人の兵士
それはほんとうだろうか
歴史がちがっているという感覚
個人の体験こそ戦争の真実
歴史の表と裏

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著者紹介

五木寛之(いつき・ひろゆき)
1932年福岡県生まれ。朝鮮半島で幼少期を送り、47年引き揚げ。52年早稲田大学ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、ルポライターを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞。代表作に『朱鷺の墓』『戒厳令の夜』『風の王国』『蓮如』『大河の一滴』『百寺巡礼』など。英文版『TARIKI』は2001年度「BOOK OF THE YEAR」(スピリチュアル部門)に選ばれた。02年に菊池寛賞を受賞。09年にNHK放送文化賞を受賞。10年『親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞。

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