発売日 2020年04月07日(火)

棄民世代
政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす

著者名:藤田孝典(著者)

¥860(税別)

ISBN:
978-4-8156-0410-3
サイズ:
新書
ページ数:
224
付録・付属:
-

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著者紹介

著者・藤田孝典

1982年茨城県生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。ソーシャルワーカーとして活動する一方で、生活保護や生活困窮者支援のあり方に関し提言を行う。著書に『下流老人』(朝日新書)、『貧困クライシス』(毎日新聞出版)、『貧困世代』(講談社現代新書)などがある。

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  • 「就職氷河期世代」を敢えて「棄民世代」と呼び、この世代の過去と現在を総括し、未来について考えていくことを目的とするとしている

    5.0
    gl510

    筆者は『はじめに』で、政府が2019年4月10日に行われた第5回経済財政諮問会議で、就職氷河期世代の呼び方を「人生再設計第一世代」に変更し、約3年間、集中的な支援を行うためのプログラム案の作成を行ったことについて、「失敗をしていなければ再設計は不要である。要するに、断定的に何らかの失敗をしている世代だと決め付けられていることになる。もちろん、失敗をした主体、主語はその世代の当事者を指しており、政府ではないらしい」「これまで政府はそのような人々に対して、真摯に手を差し伸べてきたことが一回でもあっただろうか」「歴史上、ある世代が人生の再設計を政府から要請されたことなど一度もない。…再設計すべきはこれまでの政府の方針ではなかっただろうか」「非正規雇用の増加、少子化、貧困や格差の拡大、経済の低迷といった日本社会が抱える課題と向き合える力を政府は有していないことも痛感できる」などと、政府を厳しく糾弾しているが、すべて、全くもって同感だ。筆者は続く序章で、本書では、バブル崩壊後の、有効求人倍率が1を下回った1993年から2005年頃までの期間に学校を出た世代、つまり2020年現在において、おおよそ30代の後半から50歳くらいまでの世代を敢えて「棄民世代」と呼ぶことにし、この世代の過去と現在を総括し、未来について考えていくことを目的としていると述べている。 筆者はまず第1章で、氷河期世代の過去と現在の実相を各種データを多用して客観的に分析・紹介しており、続く第2章でも、各種データや根拠を示して、「氷河期世代の老後に想定できる最も典型的なモデルとは、基本的にはドヤ街の高齢者たちに現在起きていることがより広範囲に、よりシビアな形で起こるということ」だとし、「相当数は「最後のセーフティネット」である(支給額がずっと下がり続けている)生活保護に最後の助けを求めることにどう転んでもなるだろう」と予測している。 筆者は第3章で、こうした厳しい状況に置かれている氷河期世代を救うために、ようやく2020年4月から3年計画で集中的に取り組むこととされ、約100万人いると推定されている不本意非正規雇用者や長期無業者のうち、30万人を正規雇用に転換することが目標だという政府の「就職氷河期世代支援プログラム」の内容を詳しく紹介したうえで、その問題点を指摘して、支援・救済策としては全く不十分なものであると結論付けている。 筆者は『第4章 棄民世代を生み出したのは誰か』で、財界に言われるがままに労働者派遣法の立法と、その度重なる改定によって、非正規雇用を拡大し続けてきた歴代の自民党政権を、民主党政権時代に労働者派遣法の改正に猛烈な反対を行い、「製造業派遣の原則禁止」の項目を削除させてしまった野党時代を含めて批判しているのだが、その中でも特に小泉政権ほど禍根を残した政権はないとして、その小泉政権の一連の改革において陣頭指揮を執った竹中氏、経団連の政策提言に関与してきた人たちは、歴史的に断罪される必要があるなどと痛烈に批判している。 筆者は最終『第6章 提言・彼らを本当の棄民にさせないために』で、今の時点でも手遅れでなく有効で、なおかつ実施するのにそれほど困難が伴わない具体的な救済策・支援策として、限られた賃金でも自由に使える可処分所得を増やせるように家賃・電話代・教育費などの支出額を減らすさまざまな政策や仕組みの導入を提言しているのだが、筆者は特に、政府や企業に頼らない、海外で広まっているというコモン(共有財産)概念に基づいた住民や労働者などの自主的な取り組みを重要視しており、「今の日本にコモンを再生、いや創造することが、日本社会の転換に不可欠なことだと考えている」とまで語っている。 私はコモンの考え方を否定するつもりは全くないのだが、ただ、こうした考え方は今の日本に一朝一夕で広まるようなものではなく、広まるとしても、相当時間が掛かると思う。私は、棄民世代を作り出し、かつ、打つべき対策を怠ってきた責任が政治にあるのなら、彼らを本当の棄民にさせないための最終責任は、やはり政治家が負うべきだと思うし、それが一番確実かつ手っ取り早い方法だと思う。それと同時に、自分たちが政治家に要請し続けてきた政策によって、長年にわたって大量に正規雇用を非正規雇用に切り換えて人件費を節約してきた結果、内部留保を過去最高の463兆円にまで貯め込んだ企業も、その内部留保の一部を非正規雇用者に還元するなど、棄民対策に協力すべきだと思う。 

  • 「頑張ったら正社員になれるよ」と思っている人達にぜひ読んでもらいたい

    5.0
    勝沼悠

     棄民世代(就職氷河期世代)とは何か。 「頑張ったら正社員になれるよ」 実は私も上の世代の人にこんなことを言われたことがある。上の世代の人には社会の構造が変化してこの世代以降の人達が苦労していることが分かってない人が多い。 この本ではデータや現場で支援する人々の声などから棄民世代ができた経緯や現在、今後を説明していく。 棄民世代が個人の資質の問題だと思っていたり、社会の変化に気づいていない人にぜひ読んでもらいたい。 本として決して面白い本ではないが、私も棄民世代なのでプラス1点。現在(2020.4)のコロナの問題もこの問題と大きく関係していることを踏まえさらにプラス1点。

  • 就職氷河期世代のみならず、全世代に読んでもらいたい本

    4.0
    たんすの角

    棄民世代の一人として、非常に納得できる部分が多かった。一部の事例は世代や就職氷河期とは関係無いと感じるものもあったが、社会から存在を肯定されていないと日頃から感じている中高年が自暴自棄になるという点では変わりない。既存の社会の枠組みから外れてしまった人間を本人の努力不足で切って捨てるのは簡単だが、このままでは切って捨てられた人間が社会に対して「恨みを晴らす」ような犯罪が増えていくのは間違いない。政府は、言い訳作りのような政策をやめて、中高年の再教育に注力すべきだ。そう思わせる内容だった。

すべての8つのレビューを表示

  • 天切り松

    就職氷河期世代の本。氷河期に後半世代を入れる時点で薄めていることに気づかないと。最初の世代は受験戦争の最盛期の世代で、大学に行かなければバブル期で就職できた計算。人口減は見えていたので大学入学が一番狭き門で、そこを抜けての採用する気のない就職面接で傷んでいる。悲惨ですな。 続きを読む

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