最先端脳科学でストレスは悪いばかりではないことがわかってきた。じつはストレスにもブライトストレスとダークストレスがあるのだ。本書は新進気鋭の脳神経科学者が、ブライトストレスを味方につけ、最高の人生を生きるための方法を初公開する。
最先端脳科学でわかった
ストレスを味方につけ
最強のパフォーマンスと最高の人生を導く方法とは?
ストレスというと、ネガティブな印象を受ける人がほとんどでしょう。
確かにストレスは私たちを苦しめることもあります。
しかし、ストレスは、私たちを守り、私たちを強くし、私たちを成長させてくれる大切な養分でもあるのです。
私たちの身体内で、私たちのために働こうとするストレスをなくすことはできません。
ストレス反応は、生物、人類にとっての自然摂理の一部だからです。
目に見えないストレスに私たちが不安を覚えるのは、生物として自然の反応なのです。
よく分からないものには、警戒していくことで生存確率を高めてきたからです。
ところが近年、科学技術の発展に伴い、ストレスは必ずしも目に見えないものではなくなりました。
神経科学という自然科学が、このストレスの仕組みを、細胞や分子のレベルにまで目を向け、紐解いています。
本書では、そもそもなぜ生物、人類にストレスという反応が備わり、
そしてどんな意義や役割があるのか、ということを、なるべく分かりやすく神経科学や心理学などの知見から紐解きつつ、
日常生活との橋渡しをしていきたいと思います。
単にストレスが減り、気持ちが楽になる、というだけではなく、
ストレスの力を借りれば、私たちの成長を促したり、幸せを見出しやすくなるはずです。
ストレスは、ちょっと柄の悪い地元のあんちゃんのように、
近寄り難いのだけれど、でも少し話してみると案外いいやつというような存在です。
確かに、深く心通わすまでは少し時間がかかるけれど、
それでもストレスと心通わし、自分の最高なバディにすることができたなら、
人生にとって、とっても頼もしい、心強い存在となるのです。
プロローグ:限られた人生、何を脳に刻み込んでいきたいのか ― 注意対象を変える習慣が、人生を豊かにする
「内側」の世界にも注意を向ける
脳で処理できる情報は、1000分の1以下
ネガティブなものが気になってしまう脳
第1章:ストレスを俯瞰的に知る ― 知らないものは不安の対象に。ストレスを知ることから始める
ダークストレスとブライトストレス
ストレスとうまく付き合う3つの前提
ストレスは必要だから存在する
自分のストレス反応に寄り添う
ダークストレスその1:慢性的なストレスにご用心
「ストレス=悪」という固定概念がストレスを増幅させる
第2章:ダークストレスを和らげる ― ストレスの自然科学的理解をヒントに、ダークストレスを和らげる
ストレスと心理的安全性の関係
期待があるから、ストレス反応が生まれる
貢献心の罠:見返り予測バイアスによるストレス
笑う門には福来たる:ベータエンドルフィン
なぜあらゆる文明に、時代に音楽とダンスが存在するのか:セロトニン
ちょっと疲れる運動をしよう:ベータエンドルフィンとセロトニン
脳の自動スイッチを意識的に操る:副交感神経
心から抱きしめる。心から信じる:オキシトシン
第3章:ブライトストレスを味方にし、HAPPY STRESSへ昇華 ― ブライトストレスのエネルギーを最大限取り込み、成長を加速
VUCAの時代に適応的な能力
自分自身が世界のプロデューサーという意識をもってみる
長期記憶の特徴と3日坊主の仕組み
脳エネルギーと脳の生存戦略
三つ子の魂百までの仕組み
脳の成長の原理からみたブライトストレス
ダークストレスをブライトストレスに変える分子たち
レジリエンス脳を育む原理
成長ドリブン脳
希望脳(根拠なしの自信)とは
ストレスなくして成長なし