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捨てられる男たち

奥田祥子:著者

劣化した「男社会」の裏で起きていること(仮)

話題沸騰!続々メディア掲載!

★日経新聞12/11「今を読み解く」で紹介
★産経新聞書評掲載(9/5)
★『週刊エコノミスト』8. 24号書籍紹介
★毎日新聞「発言」著者寄稿(7/8)
★『THE21』8月号 書籍紹介(7/10発売号)
★PRESIDENT 2021年7.2号 紹介!

このままでは男たちは職場や家庭だけでなく社会からも捨てられてしまう──
ベストセラー『男性漂流 男たちは何におびえているか』『「女性活躍」に翻弄される人びと』著者・最新刊!

「アイツのためを思った指導がパワハラだなんて、納得できるわけがない」
「チャンスを与えてやったのに、セクハラ告発の不意打ちを食らうなんて……」
普段はネガティブな感情を露わにすることのない男たちが目を充血させ、時に嗚咽しながら必死に思いの丈をぶつける。本書は、マスメディアからは伝わってこない市井の人びとの声を丁寧に掬い上げ、そのギャップを鮮やかに描いてきた著者が「男社会」の崩壊をリアルに暴くルポルタージュである。20年以上にわたる取材から迫る真相は、読む者を圧倒する。
本書に登場する管理職の中年男性たちは、取材の過程で、部下の成長を心から願い、長時間労働の是正、女性登用の促進など職場が抱える課題に果敢に立ち向かい、そして妻子への想いを熱く語っていた。では、なぜそんな彼らが訴えられ、引きずり下ろされたのか。パワハラやセクハラ、家庭内モラハラなどのハラスメントの告発を受けるに至った社会的背景や心理的要因を探れば探るほど、「男たち」の悲哀を感じずにはいられない。
〝無自覚ハラスメント〟──。これが彼らが陥った行為の正体である。
そして〝無自覚ハラスメント〟に及ぶ要因を数多の取材事例から分析して浮き彫りになったのが、彼らに無批判に内在化された「男社会」の価値観だった。
本書の特徴は最長で約20 年にわたり、同じ取材対象者に継続的にインタビューを行った定点観測ルポになっている点だ。例えば、過去の時点では平静を装ったり、胸に秘めていたりした苦悩が、その後の取材で初めて明るみになるケースも少なくない。ある一時を切り取っただけのインタビューでは推し量れない、問題の深層や人々の心の機微に触れることができる。さらに、多数のケース、長時間に及ぶインタビューだけでなく、学術的な視点からも分析を加えることで、現代日本の闇への理解がさらに深まる。現代を生きる男女が今読むべき1冊に仕上がっている。

■目次

■第1章 パワハラに足をすくわれる男性上司
1 「部下のため」熱血指導の誤算
2 働き方改革がパワハラの温床
3 〝偽パワハラ〟で部下に追い落とされる
4 若手社員からの〝逆パワハラ〟で会社も敵に
5 「男社会」の価値観が誘発するパワハラ(章まとめ)

■第2章 セクハラという「聖域」
1 「活躍」女性からの不意打ち
2 思わぬ「マタハラ」告発
3 男性部下への助言が「パタハラ」に
4 部下への思い込みが招くセクハラ(章まとめ)

■第3章 女たちのジレンマ
1 “女を武器”に「被害者」に活路
2 女性上司が陥る〝女王蜂症候群〟
3 癒し求めた男性部下からの告発
4「男社会」を引きずる女たちの葛藤(章まとめ)

■第4章 モラハラで家庭喪失
1 〝職場化する家庭〟の悲劇
2 〝無自覚モラハラ〟で妻の逆襲
3 定年夫の孤独
4 家庭という〝密室〟で起こる脅威(章まとめ)

■第5章 誰も捨てられない社会のつくり方(結論章)
1 〝無自覚ハラスメント〟と社会的排除
2 世代間・性差の壁を越えて
3 役割期待のズレを知る
4 劣化した「男社会」との決別を

定価:990円(本体900円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2021年6月5日(土)
  • ISBN:978-4-8156-0772-2
  • サイズ:新書
  • ページ数:232
  • 付録:-

著者紹介

著者・奥田祥子

奥田 祥子(おくだ・しょうこ) 近畿大学教授。ジャーナリスト。博士(政策・メディア)。専門は労働・福祉政策、ジェンダー論、メディア論。京都生まれ。1994年、米・ニューヨーク大学文理大学院修士課程修了後、新聞社入社。2017年から現職。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。2000年代初頭から社会問題として俎上に載りにくい男性の生きづらさを追い、07年に刊行した『男はつらいらしい』(新潮社、文庫版・講談社)がベストセラーに。「仮面イクメン」「社会的うつ」「無自覚パワハラ」など、斬新な切り口で社会病理に迫る。市井に生きる人びとの苦しみに寄り添い、声なき声を拾い上げることを信条に、対象者一人ひとりへの最長で20年に及ぶ継続的なインタビュー手法が持ち味。元・読売新聞の記者。著書に『男性漂流 男たちは何におびえているか』(講談社)、『「女性活躍」に翻弄される人びと』(光文社)、『社会的うつ うつ病休職者はなぜ増加しているのか』(晃洋書房)、『夫婦幻想』(筑摩書房)、『男という名の絶望 病としての夫・父・息子』(幻冬舎)などがある。日本文藝家協会会員。

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