
13の宗教の見取り図

●13の宗教を「主役」にストーリーを展開!
本書では、高校の世界史の教科書に登場する13の宗教を取り上げ、誕生から現在までを宗教ごとに短編小説のように解説します(歴史が連続しているバラモン教とヒンドゥー教については、合わせてひとつの話にしています)。
本書では、「世界最古の宗教」ともいわれるゾロアスター教を皮切りに、西アジアやヨーロッパに広がった一神教的な宗教、あるいは二元論的な宗教を図のピラミッドの左のほうに向かって成立順に解説します。
イスラームまで解説した後は、ピラミッドの中央に戻り、インドを起源とする5つの宗教を紹介します。古代インドに成立したバラモン教と、バラモン教に民間信仰が取り入れられて誕生したヒンドゥー教、バラモン教への批判から生まれたジャイナ教と仏教、イスラームの影響を受けて成立したシク教の5つです。この5つの宗教には異なる部分が多く存在するものの、ともに輪廻の思想を持つなどの共通点があります。そして、中国を起源とする、哲学的な要素を含む儒教、中国の民間信仰である道教、そして日本固有の宗教である神道について、ピラミッドの右のほうに向かって解説します。
各宗教のつながり

●お互いに影響を与え合う宗教たち
上の図のとおり、宗教はバラバラに存在しているわけではなく、お互いに影響を与えたり、批判したり、対立したり、融合したりしながら存在しています。
上の図の矢印や分類はほんの一例で、各宗教にはもっと多くの絡み合いが存在しており、「十字軍」や「パレスチナ問題」など、宗教間の影響や批判、対立や融合が、歴史を動かす原動力になっている事件は数多くあります。
また、宗教の中にも多くの「宗派」があります。キリスト教の「宗教改革」や、イスラームにおけるスンナ派とシーア派の分裂など、宗教の中での対立や分裂も、歴史を動かす原動力になっている場合が多いのです。