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ビジュアルガイド ジェット旅客機のしくみ

中村寛治:著者

パイロットの操作でどう動くのか?

「進化」し続けるジェット旅客機のしくみ

本書のテーマは「ジェット旅客機のシステム」です。特に、システムを制御するパネル(計器やスイッチなどが配置された操作盤)を操作したときに「システムがどのように作動するのか?」といったことに重点を置いています。また、アナログからデジタルが主流の時代になり、「制御パネルがどのように変化したか?」「その操作手順がどのように変化したか?」といったこともテーマのひとつです。
現在のジェット旅客機のシステムはスイッチやノブによる操作が必要なく、すべて自動で制御できるようになっています。しかし、初期のジェット旅客機のシステム制御は、手動による操作が基本でした。例えば、「電源を切り替えるときには親指と人差し指でスイッチをつまみ上げ、小指で周波数を調整しなければならない」など、職人的な技が必要な場合もありました。
本書で取り上げたのは、システムのほんの一部分に過ぎませんが、「ジェット旅客機のシステムにはどのようなものがあるのか?」を解説していきます。

■第1章 ようこそ「ジェット旅客機システム」の世界へ
1-1 ジェット旅客機の基礎知識
1-1-1 飛行機の形
1-1-2 飛行機の各部名称
1-1-3 翼型(翼の断面)
1-2 飛行機が飛ぶ方向
1-2-1 翼と3つの方向との関係
1-3 飛行中の力の釣り合い
1-3-1 巡航中の力の釣り合い
1-3-2 上昇中の力の釣り合い
1-3-3 降下中の力の釣り合い
1-4 国際標準大気
1-4-1 国際標準大気とは?
Column1 飛行機と積乱雲
■第2章 操縦システム(フライト・コントロール・システム)
2-1 フラップ(高揚力装置)
2-1-1 フラップの役割
2-1-2 フラップを動かすしくみ
2-1-3 フラップを操作する手順
2-2 エルロン(補助翼)
2-2-1 エルロンの役割
2-2-2 エルロンを動かすしくみ~ボーイング727の場合
2-2-3 エルロンを動かすしくみ~ボーイング747の場合
2-3 水平尾翼とエレベータ(昇降舵)
2-3-1 水平尾翼とエレベータの役割
2-3-2 水平尾翼とエレベータを動かすしくみ~ボーイング747の場合
2-4 ラダー(方向舵)
2-4-1 ラダーの役割
2-4-2 ラダーを動かすしくみ~ボーイング747の場合
2-5 フライ・バイ・ワイヤ(エアバスとボーイング)
2-5-1 フライ・バイ・ワイヤの利点
2-5-2 運用限界範囲保護システム~ボーイング787の場合
Column2 操縦桿とサイドスティック
■第3章 自動飛行システム(オートフライト・システム)
3-1 オートパイロット
3-1-1 オートパイロットの役割
3-1-2 オートパイロットのしくみ~ボーイング727の場合
3-1-3 オートパイロットのしくみ~ボーイング747-200の場合
3-1-4 オートパイロットのしくみ~ボーイング787の場合
3-1-5 オートパイロットのしくみ~エアバスA350の場合
3-2 航法システム
3-2-1 航法の種類
3-2-2 ボーイング727の航法装置
3-2-3 ボーイング747-200の航法装置
3-2-4 ボーイング787の航法装置
3-2-5 慣性航法装置のしくみ
Column3 その昔の航法~無線航法、オメガ航法、ISS、INS
■第4章 航空計器・ディスプレー・システム
4-1 飛行状態を知るための5つの計器
4-1-1 飛行状態を知るための5つの計器とは?
4-1-2 ジェット旅客機の計器
4-2 速度計
4-2-1 何を基準にした速度なのか
4-2-2 どうやって動圧を測定するのか
4-2-3 なぜマッハ計が必要なのか
4-2-4 昇降計(垂直速度計)
4-3 高度計
4-3-1 高度計のしくみ
4-3-2 高度計規正とは
4-4 エア・データ・システム
4-4-1 ボーイング727と747のエア・データ・システム
4-4-2 ADRS(エア・データ・リファレンス・システム)
4-4-3 指示対気速度、真対気速度、マッハ数の関係
4-5 方位指示器
4-5-1 磁北と真北
4-5-2 ディレクショナル・ジャイロ(DG)
4-5-3 ディレクショナル・ジャイロと磁気コンパス
4-5-4 ボーイング747の方位指示システム
4-6 姿勢指示器
4-6-1 バーチカル・ジャイロ(VG)と姿勢指示器
4-7 水平位置指示器
4-7-1 水平位置を知るための計器(ボーイング747)
4-8 統合表示システム
4-8-1 ディスプレー・システム(ボーイング787)
4-8-2 PFD、ND、EICAS
Column4 飛行機と風
■第5章 ジェット・エンジンのしくみと制御システム
5-1 ジェット・エンジン
5-1-1 ジェット・エンジンとは?
5-1-2 ボーイング727のエンジンを制御するしくみ
5-1-3 ボーイング747のエンジンを制御するしくみ
5-1-4 ボーイング787のエンジンを制御するしくみ
5-2 燃料供給システム
5-2-1 燃料タンク
5-2-2 ボーイング747の燃料供給システム
5-2-3 ボーイング787の燃料供給システム
5-3 エンジン計器
5-3-1 エンジン計器の役割
5-3-2 N2計
5-3-3 N1計
5-3-4 燃料流量計
5-3-5 EGT(排気ガス温度)計
Column5 時刻表の所要時間の今昔
■第6章 電気システム
6-1 発電機
6-1-1 直流と交流
6-1-2 三相交流発電機
6-1-3 ボーイング727の電気制御システム
6-1-4 ボーイング747の電気制御システム
6-1-5 ボーイング787の電気制御システム
6-1-6 エアバスA350の電気システム
Column6 オール・ジェネレーター・ロス(全発電機停止)
■第7章 油圧システム
7-1 油圧システムのしくみ
7-1-1 ボーイング727の油圧システム
7-1-2 ボーイング747の油圧システム
7-1-3 ボーイング787の油圧システム
7-1-4 エアバスA350の油圧システム
Column7 「単純なシステム」は「複雑な操作手順」になる
■第8章 エア・システム
8-1 空調システム
8-1-1 ベーパー・サイクルとエア・サイクル
8-1-2 ボーイング727の空調システム
8-1-3 ボーイング747の空調システム
8-1-4 ボーイング787の空調システム
8-1-5 エアバスA350の空調システム
8-1-6 与圧システム
Column8 情報の共有化で操作手順を効率化

定価:2,420円(本体2,200円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2023年8月8日(火)
  • ISBN:978-4-8156-1735-6
  • サイズ:A5判
  • ページ数:240
  • 付録:-

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