ファイティング・ファンタジー・コレクション~火吹山の魔法使いの伝説~
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1982年――イギリスで刊行された1冊の本。
ひとりで遊ぶ「ロールプレイングゲーム」たるその本
『火吹山の魔法使い』は、またたくまに世界を席巻した。
その世界的な熱狂から40年。長い歴史を誇るシリーズから、新旧の名作をお贈りする。
未邦訳だった「火吹山の魔法使い」の続編を筆頭に、巨匠2人の傑作を収録!
2000年代以降の新作も交えて名作を厳選!
今回のコレクションに収録される作品は5編。シリーズの創始者であり、現在はゲーム界の巨匠として世界に知られる「スティーブ・ジャクソン」と「イアン・リビングストン」の作品を収録。さらに善・悪・中立のルート分岐を導入した初期の名作「サソリ沼の迷路」、2000年代にシリーズ復活の先駆けとなった「狼男の雄叫び」、2020年に嵐の海に浮かぶ空中群島を舞台として展開した「嵐のクリスタル」など、ファン待望の新作も!
歴史に名を刻む伝説のファイティング・ファンタジー。
その記念すべき最新作を万感の思いを込めてお届けする。
究極のコレクション・ボックス、堂々の刊行!
■ファイティング・ファンタジーとは?
イギリスのクリエイターである
「スティーブ・ジャクソン」と「イアン・リビングストン」の両名による
書籍シリーズで、本を読み進めながらさまざまな選択を重ね、
先の見えない結末へと至る物語。
このシリーズは世界中で大反響を巻き起こし、
本国であるイギリスはもちろんのこと、各国で人々の記憶に刻まれる作品となった。
このファイティング・ファンタジーの後を受けて、
玉石混交さまざまな類書が生まれてきたが、
本シリーズならではの魅力を以下に挙げる。
●豊富かつ大胆な選択と、意外性に富んだ展開
暗い迷宮に張り巡らされた罠、敵か味方かもわからぬ奇妙な人々、
得体の知れない未知の食物――旅の中で冒険者を待ち受ける数々の危難。
それらにどう対処していくのかが運命を分かつことになる。
本シリーズでは、そうした運命の分かれ道が「選択肢」という形で提示される。
中には読み手が思いつかないような機知に富んだものもあり、予想だにしない劇的な展開をもたらすことも。
●1人で遊ぶRPGとしての絶妙なバランス
本シリーズの源流にあるコンセプトは「1人で遊べるRPG」であり、
それゆえに旅の途中で遭遇する敵は、それぞれ固有の「数値」や「能力」を持つ。
プレイヤーの分身たる冒険者も能力数値を有しており、敵との戦闘はもとより、
過酷な環境や罠などによって次第に体力を消耗していく。
本シリーズはこうした「ゲーム」としての数値設定が絶妙であり、
変化してゆく数値に一喜一憂する楽しみも魅力の1つと言える。
●緻密な描写で独特の雰囲気を醸し出す文芸性
文字を主体として冒険を描く本書では、あらゆる情報が文章を通じて表現される。
本格的なファンタジーとして描かれるその世界観は、
後年のコンピュータゲームのようなパステルカラーに彩られてはおらず、
重厚かつ濃密で、ときに猥雑ですらある。
そうした独自の世界観を描き出す表現力があるがゆえに、本作は不朽の名作として輝き続けている。