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世界のビジネスエリートが身につける教養 文化人類学

大川内 直子:著者

●なぜ世界のビジネスエリートは「文化人類学」を学ぶのか?

今、世界の最前線で戦うビジネスエリートたちが、こぞって学んでいる「教養」があります。
それは、経済学でもなければ、経営学でも、心理学でもありません。

文化人類学です。

皆さんは、文化人類学にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
おそらく、映画「インディ・ジョーンズ」シリーズのように、探検家のような服装をした学者がジャングルの奥地へ分け入り、文明から隔絶された「未開の人々」の奇妙な風習や儀礼を調査する─そんな、現代のビジネスとはかけ離れた世界の話だと思っている方が大半ではないでしょうか。
確かに、かつての文化人類学は、そうした「民族の博物学」的な色合いが強い学問でした。

ところが、現代の文化人類学の実態は大きく異なります。
世界を牽引するグローバル企業、たとえばグーグル、インテル、マイクロソフトといった巨大テック企業は、早くから社内に文化人類学者を雇用し、ビジネスの戦略立案にその知見を取り入れてきました。
アップル、ゼロックス、ノキア、ゼネラルモーターズ(GM)、さらにはユニリーバやフィナンシャル・タイムズといった企業にも、文化人類学者が在籍していた実績があります。

では、なぜこれほどまでに、世界のビジネスエリートは文化人類学を学ぶのか。
一言で言えば、それは「思考の枠を外す」ためです。
文化人類学を学ぶことで自分が当然と思っていた「あたりまえ」を相対化することができるのです。

本書は、単なる学術的な入門書ではありません。
文化人類学者であり、文化人類学を使ったコンサルティングを企業に提供する会社の創業・経営者である私が、ビジネスパーソンの皆さんに必要な「主要トピック」を凝縮した入門書となっています。

世界のビジネスエリートが備えている「教養」をあなたのものに、これからの時代に必要な「思考の枠を外す術」を身につけていきましょう。

【CONTENTS】
■はじめに なぜ世界のビジネスエリートは「文化人類学」を学ぶのか?
・グーグル、インテル、マイクロソフト…なぜ「世界の企業」が求めるのか?
・「文化人類学の国際会議」に殺到するビジネスエリートたち
・「ミシガン大学」と文化人類学――「専攻外でも、文化人類学を学ぶなんて当然だろ」
・「思考の枠を外す」ための学問

プロローグ 本書といわゆる「文化人類学入門」の違い
◎第1章 そもそも「文化人類学」とは何か?
19世紀後半から20世紀に誕生した学問
本質は「参与観察」
「アンケート」「データ分析」では見えないもの
「缶酎ハイのヒット」に文化人類学が果たしたこと
なぜ世界的デザインファームIDEOは文化人類学を重宝するのか?
◎第2章 「文化人類学の本質」から全体を体系化した入門書
ただのテーマの分類では「文化人類学の本質」はわかりづらい
・【本質①】「遠くのもの」を「近くのもの」にする──「理解不能」から「理解可能」へ
・【本質②】「近くのもの」を「遠くのもの」にする──「あたりまえ」から「実はあたりまえじゃない」へ

第1部 「遠くのもの」を「近くのもの」にする――「理解不能」から「理解可能」へ
◎序章 「文化人類学」はここから始まった
あなたの周りにいる「理解不能な他者」
文化人類学とは何か──「変な人たち」を「人間」として理解する
「遠くのもの」を「近くのもの」にする
文化人類学が開発してきた「思考のレンズ」
◎1章 進化主義――「進化主義」から「遠くのもの」を「近くのもの」にする
文化人類学が誕生した時代
「アームチェア・アンソロポロジスト」の登場
モルガンが描いた「野蛮→未開→文明」の図式
社会構造もまた「進化」する
「彼らは私たちの過去の姿を保存している」
◎2章 文化相対主義――「文化相対主義」から「遠くのもの」を「近くのもの」にする
進化主義へのアンチテーゼから生まれた
なぜボアズは進化主義に反対したのか
ポトラッチ─財産を破壊することの「合理性」
西洋の価値観では「狂気」に見える
◎3章 機能主義――「機能主義」から「遠くのもの」を「近くのもの」にする
「書斎」から「現場」へ──革命の始まり
「参与観察」という方法
「遅れた野蛮人」ではなかった
「クラ」という謎の儀礼
マリノフスキが見つけた「機能」
◎4章 構造主義――「構造主義」から「遠くのもの」を「近くのもの」にする
違い」の奥にある「同じ」を探す
言語学からの着想──「構造」という発見
「二項対立」──人間の思考の基本パターン
神話の分析──表面は違っても、深層は同じ
トーテミズム──「自然」を使って「社会」を考える
◎5章 現代の文化人類学――「現代の文化人類学」から「遠くのもの」を「近くのもの」にする
構造主義の後に来たもの
『文化を書く』──文化人類学の自己批判
「代表性の危機」を乗り越えて
クリフォード・ギアツと「解釈人類学」

■第2部 「近くのもの」を「遠くのもの」にする――「あたりまえ」から「実はあたりまえじゃない」へ
◎序章 従来の文化人類学から発展した「もう一つの役割」
第1部のおさらい――「知らない人」を理解する学問
第2部はベクトルを180度反転させる
「水の中にいる魚は、水の存在に気づかない」
「他者を知ること」で「自分が見えてくる」という副産物
デザインファームIDEO──「観察」から生まれるイノベーション
◎1章 集団・家族――そもそも「集団・家族」とは何か?
なぜ文化人類学は「家族」を研究するのか
「サザエさん」的家族は普遍ではない
「お父さん」は誰か?――母系社会の衝撃
結婚の形もさまざま
現代日本の家族を文化人類学的に観察する
◎2章 労働――そもそも「労働」とは何か?
「労働」という概念は当たり前ではなかった
「時間で管理される労働」が生まれたワケ
「働けない人」が生まれるメカニズム
現代の「ビッグマン」であれ
◎3章 贈与―そもそも「贈与」とは何か?
なぜ「プレゼント」ではお金を請求しないのか
「ハウ」――贈り物に宿る霊
「競い合う贈与」――ポトラッチの衝撃
◎第4章 儀礼・呪術―そもそも「儀礼・呪術」とは何か?
「儀礼」「呪術」という言葉への違和感
バンジージャンプも「儀礼」だった
会社にも「儀礼」がある
◎第5章 科学 「合理的」という幻想を超えて
「科学」を文化人類学で扱うとはどういうことか
ラボラトリースタディーズの誕生科学者を「調査」する
インテルとジュネヴィーブ・ベル

■エピローグ 方法論としての文化人類学

定価:1,980円(本体1,800円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2026年4月23日(木)
  • ISBN:978-4-8156-4060-6
  • サイズ:46判
  • ページ数:360
  • 付録:-
  • ■第1部 「遠くのもの」を「近くのもの」にする――「理解不能」から「理解可能」へ

    ・あなたの周りにいる「理解不能な他者」
    ・文化人類学とは何か──「変な人たち」を「人間」として理解する
    ・「遠くのもの」を「近くのもの」にする
    ・文化人類学が開発してきた「思考のレンズ」

  •  

    ・文化人類学が誕生した時代
    ・「アームチェア・アンソロポロジスト」の登場
    ・モルガンが描いた「野蛮→未開→文明」の図式
    ・社会構造もまた「進化」する
    ・「彼らは私たちの過去の姿を保存している」

  •  

    ・進化主義へのアンチテーゼから生まれた
    ・なぜボアズは進化主義に反対したのか
    ・ポトラッチ─財産を破壊することの「合理性」
    ・西洋の価値観では「狂気」に見える

  •  

    ・「書斎」から「現場」へ──革命の始まり
    ・「参与観察」という方法
    ・「遅れた野蛮人」ではなかった
    ・「クラ」という謎の儀礼
    ・マリノフスキが見つけた「機能」

  •  

    ・「違い」の奥にある「同じ」を探す
    ・言語学からの着想──「構造」という発見
    ・「二項対立」──人間の思考の基本パターン
    ・神話の分析──表面は違っても、深層は同じ
    ・トーテミズム──「自然」を使って「社会」を考える

  •  

    ・構造主義の後に来たもの
    ・『文化を書く』──文化人類学の自己批判
    ・「代表性の危機」を乗り越えて
    ・クリフォード・ギアツと「解釈人類学」

  • ■第2部 「近くのもの」を「遠くのもの」にする――「あたりまえ」から「実はあたりまえじゃない」へ

    ・第1部のおさらい――「知らない人」を理解する学問
    ・第2部はベクトルを180度反転させる
    ・「水の中にいる魚は、水の存在に気づかない」
    ・「他者を知ること」で「自分が見えてくる」という副産物
    ・デザインファームIDEO──「観察」から生まれるイノベーション

  •  

    ・なぜ文化人類学は「家族」を研究するのか
    ・「サザエさん」的家族は普遍ではない
    ・「お父さん」は誰か?――母系社会の衝撃
    ・結婚の形もさまざま
    ・現代日本の家族を文化人類学的に観察する

  •  

    ・「労働」という概念は当たり前ではなかった
    ・「時間で管理される労働」が生まれたワケ
    ・「働けない人」が生まれるメカニズム
    ・現代の「ビッグマン」であれ

  •  

    ・なぜ「プレゼント」ではお金を請求しないのか
    ・「ハウ」――贈り物に宿る霊
    ・「競い合う贈与」――ポトラッチの衝撃

  •  

    ・「儀礼」「呪術」という言葉への違和感
    ・バンジージャンプも「儀礼」だった
    ・会社にも「儀礼」がある

  •  

    ・「科学」を文化人類学で扱うとはどういうことか
    ・ラボラトリースタディーズの誕生― 科学者を「調査」する
    ・インテルとジュネヴィーブ・ベル

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著者紹介

著者・大川内 直子

大川内直子(おおかわち・なおこ)
文化人類学者/株式会社アイデアファンド代表取締役
東京大学教養学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。専門は文化人類学・科学技術社会論。大学院在籍時より文化人類学のビジネス応用に関心を持ち、海外リサーチ案件を請け負う。金融機関でコーポレート・ファイナンスに従事したのち、2018年に文化人類学に基づく専門サービスを提供する日本初の組織である株式会社アイデアファンドを設立、代表取締役に就任。アイデアファンドでは文化人類学の理論と手法を応用した調査を数多く手掛け、国内外の事業開発・組織開発に携わる。
その他、国際大学GLOCOM主任研究員、東京都立大学オープンユニバーシティ講師など。
著書に『アイデア資本主義 文化人類学者が読み解く資本主義のフロンティア』(2021年、実業之日本社)。
1989年、佐賀県生まれ。

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