本書は、MPLS（Multiprotocol Label Switching-IPアドレスではなく、ラベルを用いてIPトラフィックを転送するスイッチング方式～『用語集』より）の技術解説書です。MPLSは、高度にスケーラブルでハイパフォーマンスな転送技術であり、サービス プロバイダや先進的な企業環境ではすでに多くの導入事例があります。本書では、MPLSとその関連プロトコル、パケット ベースMPLS、ATMベースMPLS、MPLSトラフィック エンジニアリング、MPLS
QoS、MPLS設計、最先端のMPLSアーキテクチャについて、技術的な詳細を幅広く解説しています。
本書の主な読者としては、サービスプロバイダや企業のMPLSバックボーンネットワークの設計、実装、サポートに携わるインターネットワークエンジニアおよびアドミニストレータを対象としていますが、それ以外のインターネットサービスに関わる方々にも有用な情報が含まれ、CCIE（Cisco Cisco Certified Internetwork Expert )の参考書としても推奨されています。
本書の内容には、MPLSの理論、設計、設定に加え、各種のケース スタディも収録しています。MPLSネットワークの設計、実装、サポートのためのリファレンスおよびガイドとしても役立ちます。たとえ、ご使用になる機器がシスコ社以外のものであった場合でも、本書で解説する内容はMPLS技術について知り、理解を深めるうえで有用であり、スケーラブルなMPLSネットワークを構築するための詳細設計概念およびルールを知ることができます。
本書の主な構成中には、MPLS VPN、WANスイッチドMPLS VPN、MPLSトラフィックエンジニアリング、MPLS QoSを理解し、設計・実装を行うための解説が含まれています。

【目次】

第1章　MPLS入門

第2章　WAN技術とMPLS

第3章　MPLSのアーキテクチャ

第4章　VPN

第5章　パケットベースのMPLS VPN

第6章　ATMベースのMPLS VPN

第7章　MPLSのトラフィック エンジニアリング

第8章　MPLSにおけるQoS

第9章　MPLSの設計と移行

第10章　高度なMPLSアーキテクチャ

付録A　MPLSコマンドリファレンス

付録B　MPLSデバイス設計仕様

付録C　MPLS用語集

付録D　参考文献