“Time is limited.”

時間は限られています。より自分らしく生きるために、この平等に配布された時間という貴重な資源をできる限り有効活用する必要があります。“時間管理を徹底して効率よく仕事をしよう”というだけでは、“マシンになれ”といっているようなもの。マシンにできること、労働集約的なことはほかに任せて、本当にクリエイティビティの高い仕事をやることが一番大事です。そのためにも、本書で紹介しているフレームワークや思考ツールを使いこなして、仕事の効率と成果を格段にアップさせることができるでしょう。
MECEとは?

MECEとは日本語でいうと「モレがなく、ダブりがない」という意味です。何かを分類する場合に注意すべき基本的な考え方で、フレームワークというわけではありません。フレームワークを使いこなすためのベースとなるコンセプトとして捉えると良いでしょう。
モレやダブりがない分類ってどんな状態?

たとえば、成人女性を分類するとしましょう。もし成人女性をOLと主婦に分けた場合、学生、フリーターなどは含まれませんので「モレがある」ということになります。モレが発覚すると、補完するのが大変です。つまりMECEでないと効率が悪いということなんです。成人女性の分類であれば、年齢別にする、所在地で分ける、既婚と未婚で分ける、などがあります。
ボトルネックに全体を合わせて最適化する

経営の全体最適化の改善手段として知られるようになったのがTOC(制約条件の理論)です。TOCは、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の背景理論の1つで、制約条件をわかりやすくいうと「ボトルネック」といいます。さらにTOCを制約条件に改善活動を集中させる新しい改善手法として発展させたのが5つの改善ステップです。
プロジェクトの要件を整理する

5W1Hは、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(どうして)とHow(どのように)のことを指します。モレなく入れることによって、事実が正確に速く理解されるのです。5W1Hは文章作成の基本メソッドですが、ビジネスコミュニケーションでも、客観的な事実を正確に伝えるために必要な考え方となっています。
その尺度を図る5F

マイケル・E・ポーターが提唱した5Fとは、業界に影響する5つのForces(圧力、競争要因)から、その業界の特徴、収益性、継続性など業界の「おいしさ」を判断するフレームワークです。業界の魅力がどのくらいあるかを把握するのに便利です。5Fを使えば、経営資源の優先投入先を決めたり、新規参入の是非を判断する際に役立ちます。
売上の8割は、2割の売れ筋商品から?

企業の商品別売上、従業員の生産性、国内の金融資産、さまざまな要因を考えたとき、大勢は少数の要因によって決定されると言われています。たとえば、売上で言えば「売上の80%は、全商品の20%による」といった解釈がこれにあたります。俗に80対20の法則、と呼ばれますが、厳密に80:20になるとは限りません。一般的に「少数が大勢を占める」という経験則を、パレートの法則と呼んでいます。