彼と人喰いの日常 4
「お父さんも葵ちゃんも私のために殺してくれたんだよね、十夜君?」
「っ!?」
立夏のため……という名目で、人喰いの黒衣と共に幾多の罪を犯し続けた十夜。しかしその一番知られたくない事実を、最愛の幼馴染、立夏は知っていた。さらに追い打ちをかけるかのように、殺したはずの葵までもが再びその姿を現す。だが――
「主よ、これは現実じゃ」
混乱する十夜のそれを砕くように、黒衣の声が響き渡る。全ては自分が選択した結果。ならば今回も選ぶしかない、この美しき人喰いと共に。
これは、彼と人喰いが紡いだ“終わる日常”の物語。
「主よ、わしを信じ、愛してくれ」