孤独の果てで犬が教えてくれた大切なこと
本書はいきなり10万部を突破した瀧森古都のデビュー作『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』の続編であり、犬にまつわる感動体験を通じて、登場人物が「生きるとは?」「家族とは?」など人生を深く哲学し、成長していく――。涙なしには読めない感動小説。
僕の居場所は、どこにあるんだろう。
僕は、どこで泣いたらいいんだろう。
もしかしたら、涙を流すことなんてもうないかもしれない。
誰かのために泣くなんて、きっと永遠にないのかもしれない。
だって、僕には家族がいないから。
共に笑い、共に涙を流してくれる人なんて一人もいないから。
孤独の果てをさまよっていた僕は、
ずっとそう思っていた。
あの日あの犬に出会うまでは─
【あらすじ】
『俺と一緒に、あの犬を誘拐しない?』
家族の温かみを知らずに育った11歳の少年、宏夢(ひろむ)は、移動図書館の館長をしているミツさんに、そんな提案をした。せまい物置の中で飼われている犬を救うべく、誘拐を計画する二人。
犬にとって、本当の幸せとは?
僕らにとって、本当の居場所とは?
移動図書館を通じ、様々な人や事件と遭遇する11歳の少年と54歳の中年。それぞれの運命と向き合い、生きる意味を考えることとなる。
■目次:
第1話 空を知らない犬
第2話 三本足のヒーロー
第3話 ぼくのK-9