SBクリエイティブ

[Si新書]マンガでわかる神経伝達物質の働き

野口哲典:著者

ヒトの行動、感情、記憶、病気など、そのカギは脳内の物質にあった!!

人間の行動を決めるのは脳であり、その脳は脳内物質により動かされている。では、どういう脳内物質が、どのように左右するのだろうか? 本書は脳内物質の基礎知識と、脳内物質によって起こされる行動や病気などに関して、マンガでわかりやすく解説する。

第1章 脳の仕組みと心
第2章 神経伝達物質の働き
第3章 おもな神経伝達物質とその働き
第4章 神経伝達物質と心
第5章 神経伝達物質と心の病気

■著者:
1958年愛知県生まれ。東海大学卒。市場調査会社を経て、ライターとして独立。執筆活動だけでなく、確率などをテーマにした講演もこなす。おもな著書に、『知ってトクする確率の知識』『数学的センスが身につく練習帳』『数字のウソを見抜く』『みんなが知りたい男と女のカラダの秘密』『マンガでわかる確率入門』(サイエンス・アイ新書)や『大人の保険体育』(インデックス・コミュニケーションズ)、『面白いほどよくわかる確率』(日本文芸社)などがある。

定価:1,048円(本体952円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2011年7月16日(土)
  • ISBN:978-4-7973-5991-6
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:224
  • 付録:-

ヒトは地球上でもっとも高度な知能をもった生物へと進化した。その結果、ほかの動物にはない豊かな感情表現ができるようになった。それは複雑な社会を生きていくためのコミュニケーション手段として必要なものだったからだと考えられている。ヒトとロボットの最大の違いは、心をもっているかいないか、だといわれることもある。それだけ豊かな感情は、ヒト特有のものなのだ。だからこそ、つらいときもあるとはいえ、そうした感情と仲よくつき合っていくことが大切なのかもしれない。

2011年6 月 野口哲典

心はどこにある?

6千年前のエジプトでは、心は心臓にあると考えられていた。実際に恐怖や緊張を感じたときには心臓がドキドキし、「胸がはずむ」「胸が痛む」などの表現からも、昔の人々は心が心臓にあると考えていた。17世紀、哲学者のデカルトは、脳の中心部分、間脳にある松果体という器官が心の源であるとし、19世紀には脳科学は飛躍的に発達し、心は脳の活動によるという説が一般的です。

心とはなにか?

異性のことが好きになったり、フラれて悲しくなったり、落ち込んだりするのも、すべて脳の中の信号伝達によって生じています。要するに、心は脳内のどの部分にどのような信号が伝わるかによって生じているといえる。そして、この脳内の信号伝達に重要な役割を果たしているのが、神経伝達物質と呼ばれる化学物質なのだ。神経伝達物質の種類と量が心の状態を決めています。

どうして感情があるのか?

恐怖や怒り、悲しみ、幸福、驚き、嫌悪という基本的な6つの顔の表情は、人種や文化が異なっていても普遍的だ。ヒトは生まれながら、感情表現を見分ける能力が備わっている。ヒトの赤ちゃんは本能的にほほえむことで、親や他者からの保護を得るため。自分だけでは生存能力のない乳幼児にとって、ほほえんだり、声をだして泣くという行為は、生きていくために必要不可欠なのです。

交感神経は緊急時に働く

交感神経はおもに緊急事態に遭遇したときなどに働く。突然、敵と出会い、戦うべきか、逃げるべきか、「闘争か逃走」の決断をする場合だ。交感神経は脊髄から神経繊維を伸ばし、神経伝達物質のノルアドレナリンにより末端の器官へ情報を伝達する。交感神経は即座に状況に対応した行動ができるように必要な身体機能を高めます。

副交感神経は休息をうながす

副交感神経は身体の休息と回復をうながすための神経といえる。食事をしたあとの少し眠たいような感覚だ。自然で快適な睡眠をとるためには、寝るまでに交感神経の活動を鎮め、副交感神経を活発にする必要があるのだ。ゆっくりと湯船につかったり、リラックスできる時間をつくることで、副交感神経の活動をうながすことができる。

大脳新皮質は場所によって役割が違う

大脳新皮質は異なる機能をもち、物を見て認識する機能のある視覚野が損傷すると、物を見ることができなくなる。大脳新皮質にある機能は左右の脳両方にあるが、前頭葉にあるブローカ野と側頭葉にあるウェルニッケ野の2つの言語野は、ともにほとんどの人(右利きの人の約95%、左利きの人の約65%)が左脳だけにもっている。

サポート情報はありません。ご不明な点がございましたら、こちらからお問い合わせください。

著者紹介

関連商品のご案内

もっと見る

試し読み新着お届け

もっと見る