
みなさんの周囲でも、日々「仕事がうまくいかない」「目標が達成できない」など…こんなことが起きるのは、問題だと思っていることが実は問題ではなく、問題から起きた現象を問題だと思って対処してしまいます。つまり、何が本当の問題なのか正しく把握しないと、正しい解決策を導くことはできないのです。本書では、マッキンゼーで私が教わった「問題解決」の方法を中心に、仕事をしていく中で私が考えたことを加えながら、わかりやすく紹介していきます。

問題を整理し、構造化して「何が問題なのか」「その問題がどんな要因で起こるのか」が見えるようにします。そのために便利なのが「ロジックツリー」です。問題の要因は常に一つとは限りません。ロジックツリーでは、「広がり」と「深さ」の両方を、見える化して検討できます。ロジックツリーで見ていくことで、一番インパクトのある原因を見つけるのです。

問題解決というのは、「真の問題」を見つけて、あるべき姿と現状のギャップを埋めることです。負担無く効率よく正確に仕事をしている状態が本来あるべき姿です。いわばゴールイメージです。そのゴールイメージと現状のギャップを生み出していることが、「真の問題」になるのです。

競争戦略や市場参入戦略を考える時に、一般的によく使われるフレームワークが「3C分析」です。市場(Customer)はどうなの? 自社はどんな強み(Company)があるの? 競合(Competitor)はどうなの? という3つのCに分けて分析します。

問題解決においては、仮説を立てることが重要です。早く仮説を立てることで、それが正しい答えなのか、早く検証できるからです。「最も本質的で解決のインパクトがありそうな課題」を出発点に、それが正しいかどうかを「YES/NO」で検証し、すべてOKであれば、仮説は正しいとみなせるわけです。ロジックツリーが要因を特定するのに対して、イシューツリーは、方法(HOW)を検証するのでHOWツリーと呼んだりします。

マッキンゼーにおいて、書籍や新聞、インターネットなどの情報データは、「事実」とは呼びません。それらは二次情報で、第三者の意見や視点が入るため、「意見」なのです。必ず、現場に出向いて「一次情報」に当たるのです。また現場でお客さんに接すると、会話でお客さんが考えていることを知るだけでなく、行動や言葉などを観察することから、生の声を知ることができます。データだけではわからない洞察を見つけていくのです。