あなたの話が伝わらない本当の理由

話し方は、その人の印象も左右します。周囲の人を思い出してみてください。仕事ができる人は、論理的でわかりやすく、説得力のある話し方をしているはずです。話すことは、これほど重要で不可欠なコミュニケーションのための手段ですが、論理的に考えて話すことは、誰もが後天的に身につけられるスキルです。
自分にとっての常識は当てはまらない

人と話すことに苦手意識を持っている人はしばしば、「自分はきちんと話しているのに、どうしてわかってくれないんだろう?」と思ってしまいがちですが、これこそが実は、相手に話が伝わらない大きな原因なのです。基本的に、人間は主観でしか物事をとらえることができませんが、その主観、自分にとっての常識が相手にも当てはまると、根拠もなく信じ込んでいるということです。ここが落とし穴になるのです。
「他者意識」が欠けている?

「自分を客観視してコミュニケーションを見直す」と言われても、なかなかハードルが高く感じられるかもしれません。なぜそのように感じるのかというと、それは「他者意識」が欠けているからです。「そもそも相手は自分のことを知らないもの。だからこそ、わかり合えなくて当然だ」という前提を持つことが大切です。
論理を起動させる

他者とわかり合うためには、相手と同じ土俵に立ち、自分のことを相手にわかるように伝えて、相手の言うことをきちんと理解しなければなりません。そのために、論理力が必要になります。他人とつながりたいという衝動が、論理を起動させるスイッチになるのです。
「イコールの関係」

話をわかりやすく、説得力のあるものにするには、「論理のルール」を使いこなすことが重要です。ルールというと、難しそうだ、と感じるかもしれませんが、基本はたったの三つです。論理的な用語で言う「抽象化」です。このように具体的なものから一般的なものを求めることを「帰納法」といいます。レポートや企画書などは、「イコールの関係」が使われる代表例と言えます。
相手をリスペクトする

会議で、思わず感情的になってしまい、言い争いになるケースがあります。このように議論が感情的なぶつかり合いになってしまう原因は、主に「反論」にあります。議論が感情的になりそうなときは、〝反論する人が一歩引くこと〞で事態を回避できる可能性が高まります。