
- ISBN:
- 978-4-7973-9531-0
- サイズ:
- 46判
- ページ数:
- 232
- 付録・付属:
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おすすめのポイント
技術者は日常的に技術用語を使って考え、問題を解決しています。技術用語の中には、技術者が長年培ってきたアイディアやグッドプラクティス、それに問題解決のエッセンスが凝縮されています。
たとえば、技術用語としての「バッファ」は、データを生産するプロセスと、データを使用するプロセスの間に置かれた緩衝領域を意味します。この技術用語の発想を日常生活に適用するなら、私たちが使っている「財布」はバッファとしての役割を持っていることがわかります。さらに、いったん蓄積させることで価値を生み出すプリペイドカードにもバッファの発想が生きていることがわかります。
また、技術用語としての「ボトルネック」は、システム全体のパフォーマンスを決定するポイントを意味します。システム全体のパフォーマンスを上げるためには、やみくもに改善するのではなく最初にボトルネックを見つける必要があります。会社の承認プロセスで、特定の人物が意志決定のボトルネックになることはよくあります。いくら他のメンバーががんばっても、ボトルネックになっている人物の承認速度を上げなければ、全体のパフォーマンスは上がりません。
本書で取り上げる技術用語はプログラミング全般、アルゴリズム、セキュリティ、マルチスレッドなど多岐にわたります。このような技術用語の意味を知り、それを用いた技術者の発想を日常生活に適用させることで、業務の改善や学業の効率化、創造力の育成などに生かすことができるでしょう。
技術者の発想に関心をもっている学生から社会人、発想力や創造力を高めたいと思っているビジネスマン、組織をうまく動かしたいと思っているリーダーなど、現代を生きるすべての読者にとって最適の読み物です。
なお、本書は、『Software Design』(技術評論社)の連載を加筆修正して書籍化したものです。
■本書で解説する主な技術用語
●リソースを管理する
・トレードオフ - あちらを立てればこちらが立たず
・バッファ - 処理スピード差を和らげる領域
・ガベージコレクション - 空間を再利用
・富豪的プログラミング - 必要以上にケチケチしない
●正しく判断する
・過学習 - 適応しすぎは失敗のもと
・A/B テスト - 実際に比較して判断する
・チューリングテスト - 検証できる問いへの変換
●あふれる量と戦う
・ブルートフォース - 力まかせのしらみつぶし
・指数関数的爆発 - ちょっとの違いが大違い
・ランダムサンプリング - 低コストで全体を知る
●速く、速く、もっと速く
・ボトルネック - 改善すべきポイントはどこか
・ベンチマーク
・投機的実行 - 無駄を恐れず予測して実行する
●セキュリティを守る
・公開鍵暗号
・ファイアーウォール
・二要素認証 - 異なる要素を組み合わせて安全性を高める
・中間者攻撃
・DoS 攻撃
・バックドア
・難読化
●エラーに対処する
・チェックサム - 小さな数で誤りを見つけ出す
・フェールセーフ - 壊れるときには安全側に倒せ
・S/N 比 - シグナルを上げるか、ノイズを下げるか
●複数プロセスを管理する
・クリティカルセクション
・デッドロック - お互いに相手を待って動けない
・ブートストラップ
●品質を上げる
・ドッグフーディング
・オーバーエンジニアリング
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