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町田健のたのしい言語学

町田健:著者

日本語 英語 フランス語 ドイツ語 中国語など、言葉に共通の本質を解明することが言語学の役割。本書では、いままでとらえづらかった言語学というものを、イラストと図版を多数使い、イメージしやすく、わかりやすく解説します。

■目次

第一章 言語学とはなにか?
 第一節 言語学とはなにか?
  コトバの性質に挑戦する
  コトバのいちばん大切な働きはなにか?
  伝えられるのは「事柄」だ!
  意味は「作り上げられる」ものだ
  文を作るために単語がある
  単語の並べ方にはキマリがある
  伝えられたコトバは理解されなければいけない
 第二節 言語学が扱うものとその分野 15
  言語学にはいろいろな分野がある 15
  物理的な音声を分析する「音声学」 16
  音素を研究する「音韻論」 17
  単語や形態素を分類する「形態論」 20
  単語や形態素の並びの原則を考える「統語論」 24
  意味とはなにかを追求する「意味論」 27
  文の意味が状況とどう関係するかを考える「語用論」 30
  その他の言語学の分野 34
  コトバの変遷を明らかにする「歴史言語学」 34
  言葉の起源を探る「比較言語学」 38
  コトバを特徴で分類する「類型論」 42
  方言の変化を推定する「言語地理学」 46
  社会的なコトバの変化を研究する「社会言語学」 50

第二章 コトバと言語学
 第一節 言語学の扱うもの 56
  音声は意味と無関係だ 56
  音声の並びは意味と直接結びついていない 57
  伝達にとって重要なのは共通の意味だけだ 60
  ラングとパロール 62
  事柄を作り上げる決まりは共有されなければいけない 63
  場面によってさまざまな意味を表す文 65
  ラングはどうして必要なの? 67
  ラングは事柄を作り上げる規則の集合体だ 68
  共時態と通時態でコトバの性質を解明しようとしたソシュール 70
  かつては通時態による比較言語学が一般的だった 72
  共時態の分析を重要視したソシュール 73
 第二節 コトバの記号性 75
  記号ってなに? 75
  意味を表す手段は記号である 77
  記号の持つ性質 ~恣意性について~ 79
  音と図形とまったく関連性のない「事柄」 80
  記号の表示部と内容部には一切関連性がない! 82
 第三節 コトバの基本的な性質 83
  音素列が長ければたくさんの事柄が表せる? 83
  恣意性には限界がある 86
  誰も経験したことのない事物はどうなるの? 87
  だからこそ分節が必要になる 89
  形式素には異なった役割が割り振られる 91
  コトバは意味の体系を作る 92
  形式素は意味の体系を作る 94

第三章 コトバには構造がある
 第一節 文の構造 100
  形式素は構造に従って一列に並ぶ 102
  文の構造を表すために ~品詞による形式素の分類~ 104
  形式素の分類=「品詞」の分類 105
  「名詞」はモノの集合を表す 106
  「動詞」は事柄の枠組みを表す 111
  「形容詞」は名詞の性質を表す 114
  「副詞」は事柄の性質を限定する 118
  「前置詞/後置詞」は意味役割を表す 121
  「助動詞」はモダリティー・時制・ボイスを表す 123
  文は群・句・形式素(単語・形態素)でできている 129
  構造を作るには規則がある 134
 第二節 文の構造を決めるしくみを知ろう 141
  英語の「文型」こそまさに構造だ! 141
  文型を構造規則に置き換えよう 142
  言語によっての構造が違う 148
  構造で意味が決まる「構造依存言語」 149
  形式素で意味が決まる「形式素依存言語」 151
  語形で意味が決まる「語形依存言語」 159
  類型と構造には関係がありそうだ 163
  コトバの並びには「効率性の原則」がある! 165
  名詞が先頭にくることで内容を早く限定できる 167
  動詞が助動詞より先にくることで内容を早く限定できる 168

第四章 意味と理解のメカニズム
 第一節 文が表す意味とはどういうものか? 172
  事柄の基本的なしくみ 172
  事柄とはなんだろうか? 176
  意味役割とは? ~主体と対象~ 180
  「対象」を求める事物 182
  主体と対象以外の意味役割 183
  場所 184
  道具・起点・目的地 188
  受容者 190
  その他の意味役割 194
  事柄はいつどのようにして成立するのだろう? 200
  事柄は「時区間」で成立する 202
  事柄には時制とアスペクトがある 205
  事柄の全体が成立する? 部分が成立する? 206
  事柄が成立する可能性 ~モダリティー~ 208
 第二節 文の意味はどうやって理解されるのか? 213
  事柄の理解には構造を知ることが大切だ 213
  単語の意味と品詞、文の構造を理解する 216
  日本語理解のメカニズム ~形式素と構造の決定~ 217
  形式素の意味と構造規則にもとづいて事柄を作る 222
  構造を予測しながら意味を合成する 224
  音素列の理解には予測が必要だ 233
 第三節 どうやって文は作られるのか? 234
  現象をもとに事柄の要素を決める 235
  現象をコトバにするには? 238
  事柄から文を作る過程 239
  現象を把握して事柄を作り上げる 243
  文を作る過程を機械翻訳に応用してみると? 244

第五章 言語学と情報処理
 第一節 コトバを理解するシステムは作れるか? 252
  まずは音素を決める 253
  次に形式素を決める 257
  格助詞を手がかりに切り分ける 259
  「群」と「句」に切り出す 261
  形式素の切り分けには構造規則を使う 263
  形式素の意味を合成して事柄を作る 264
  事物の性質を限定する「の」 266
 第二節 状況と文の意味はどう関係しているか? 270
  事柄の性質は状況により変化する 270
  事柄は状況により間接的に表される 273
  意味の理解には状況と知識を駆使する 275
  会話には「知識」が使われるのだ 277

定価:2,750円(本体2,500円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2004年11月30日(火)
  • ISBN:4-7973-2998-X
  • サイズ:A5判
  • ページ数:298
  • 付録:-

著者紹介

日本語 英語 フランス語 ドイツ語 中国語など、言葉に共通の本質を解明することが言語学の役割です。本書では、いままでとらえづらかった言語学というものを、多くのイラストと図版を使って、わかりやすく解説します。そもそも言語学とはなにか? という出発点から、コトバの意味がどうやって理解されるかといった、根本的なコトバの問題を科学的に追求します。

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