パパラギ
はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集
「パパラギ」とは西欧文明人のこと。南海の酋長ツイアビが、初めてパパラギたちの「文明社会」を見たときの驚きを島の人々に演説する体裁で、知恵と啓示、警告に満ちた痛烈な文明批評が展開されます。お金、時間、職業、都会、機械、情報、物欲、貧富・・・・・・、豊かさを追い求めた競争社会、マネーゲームに狂奔した資本主義が危機的状況を迎えている今こそ、真摯に耳を傾けるべきメッセージです。
*パパラギのからだをおおう腰布とむしろについて
*石の箱、石の割れ目、石の島、そしてその中に何があるかについて
*丸い金属と重たい紙について
*たくさんの物がパパラギたちを貧しくしている
*パパラギにはひまがない
*パパラギが神さまを貧しくした
*大いなる心は機械よりも強い
*パパラギの職業について--そしてそのために彼らがいかに混乱しているか
*まやかしの暮らしのある場所について・束になった紙について
*考えるという重い病気
*パパラギはわたしたちを彼らと同じ闇の中に引きずり込もうとする
■編著者:エーリッヒ・ショイルマン
1878年、北ドイツ・ハンブルク生まれ。画家を志してドイツ各地を旅した。1910年頃ヘルマン・ヘッセと知り合い、その東洋への憧れと神秘主義に強く影響されて、当時ドイツの植民地だったサモアへ旅した。第1次世界大戦勃発でサモアを追われ、米国に渡り、そこで『パパラギ』を著す。その後ドイツに帰国し、1957年没。
■訳者:岡崎照男
1951年、新潟生まれ。青山学院大学卒業後、英国エジンバラ大学を経て、スイス・ベルン大学入学。帰国後、故郷の新潟で私塾経営のかたわら、各種の市民運動に参加。