本当は間違いばかりの「戦国史の常識」
これまで時代小説やドラマなどで一般に広まった戦国時代のエピソードは間違いだらけだった!? しっかりした史実の検証を元に、今までウソがまかり通っていた戦国のイメージを見直し、本当の戦国時代の姿を追究していく。
戦国時代の出来事やエピソードはさまざまな形で残っているが、実は戦国史についてまとめられた公式の史書というものは存在しない。そのため、しっかりした史実の検証がなされないまま、江戸時代あたりに成立した〝通説〟が今なお無反省に語られているケースが少なくない。
また、はっきりしたことが分からない問題については、後生の小説家などによってフィクションまがいの〝奇説〟が唱えられ、それがあたかも歴史的事実として受け入れられているのがこの国の歴史認識の現状だ。
本書では、今まで通説と言われていた出来事や、人口に膾炙している異説を見直し、「本当の」戦国時代の姿を追究していく。
第一章 室町時代は冴えない時代ではない
第二章 平清盛をお手本にした織田信長
第三章 ナポレオンの先駆者だった豊臣秀吉
第四章 日本を儒教の国にした家康・心の闇
第五章 信玄や謙信の石高は百万石もなかった
第六章 信長より前に上洛した大内・三好の末路
第七章 大航海時代の主役になりそこなって引きこもり
■著者:八幡和郎
1951年滋賀県大津市生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。フランスの国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官房参事官などを歴任後、現在、徳島文理大学大学院教授をつとめるほか、作家、評論家としてテレビなどでも活躍中。『本当は恐ろしい江戸時代』『本当は謎がない古代史』(ソフトバンク新書)、『愛と欲望のフランス王列伝』(集英社新書)、『江戸三〇〇藩最後の藩主』(光文社新書)、『歴代総理の通信簿』(PHP研究所)など多数の著作がある。