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ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと

鎌田 洋:著者

なぜディズニーランドに行くと、幸せな気持ちになれるのか?その秘密はディズニー独特のおもてなしの精神にあった。
ディズニーランドのキャストがどのようにしておもてなしの心を学んでいくのかを、「ありがとう」にまつわる3篇の感動物語を通して紹介する。

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『ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと』
『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』

定価:1,210円(本体1,100円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2013年4月10日(水)
  • ISBN:978-4-7973-7291-5
  • サイズ:四六 カラー+1色
  • ページ数:232
  • 付録:-
第1話 虹色のミッキー

ゲストをもてなすための第一歩は、まず「もてなされること」である。そのため、オリエンテーションでは、新人キャストにコーヒーや紅茶をもてなすのだ。

明日になれば、保護者が迎えに来るかもしれない……。そんな期待を胸に、『まーくん』と共に朝を待った。しかし、次の日になっても、その次の日になっても、『まーくん』の親が現れることはなく、そして、身元不明の男児として児童相談所へ引き渡されていった。

そうだ、園長には本当の家族がいなかった。「ここにいるみんなが家族なのよ」と言った園長の言葉は、嘘でもなぐさめでもなく、心からそう思っていた言葉だったんだ。

第2話 真冬の桜ふぶき

すると、入園を強く訴えていたゲストは、お孫さんの手をグイっと引っ張り、晴美に背を向けてこう言った。

「ごめんね、あっくん。このおねえちゃん、とってもいじわるなの。どうしても入れてくれないっていうから、違う遊園地で我慢してくれる?」

私は、一枚一枚の手紙を、何度も何度も繰り返して読んだ。みんなの顔を思い浮かべながら読むうち、涙で文字がにじんできた。そうだ。ディズニーランドは、仲間を絶対に見捨てない世界だった。

「この指輪、晴美のお母さんがデザインしてくれたものらしいんだ。晴美の結婚指輪をデザインすることが、お母さんの夢だったんだって。その夢の続きを、お父さんが叶えてくれたんだよ」

第3話 絆の糸電話

「ええ、まぁ……。でも、僕なんかより優れたキャストはたくさんいますし、田舎でのんびりと暮らした方が、僕に合ってるのかもしれません」

どことなく本心ではないと思われる亮介の発言が、僕は気になった。

東京へ行く前日、僕は遺書を書いた。心の中のすべての愛を吐き出すかのごとく、家族への思いを書きつづった。

すると、僕がいる「支配人室」のドアを、誰かがノックした。

「ウォルトも、こんな言葉を残しています。『安いか高いかなんて心配しなくてもいい。良質かどうかだけを考えればいいんだ。もしそれが十分に良いものなら、人々はその見返りをきちんと払ってくれる』……と」

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著者紹介

鎌田 洋(かまた ひろし)
1950年、宮城県生まれ。商社、ハウスメーカー勤務を経て、1982年、(株)オリエンタルランド入社。東京ディズニーランドオープンに伴い、初代ナイトカストーディアル(夜間の清掃部門)・トレーナー兼エリアスーパーバイザーとして、ナイトカストーディアル・キャストを育成する。その間、ウォルト・ディズニーがこよなく信頼を寄せていた、アメリカのディズニーランドの初代カストーディアル・マネージャー、チャック・ボヤージン氏から2年間にわたり直接指導を受ける。その後、デイカストーディアルとしてディズニーのクオリティ・サービスを実践した後、 1990年、ディズニー・ユニバーシティ(教育部門)にて、教育部長代理としてオリエンタルランド全スタッフを指導、育成する。1997年、(株)フランクリン・コヴィー・ジャパン代表取締役副社長を経て、1999年、(株)ヴィジョナリー・ジャパンを設立、代表取締役に就任。著書に『ディズニーそうじの神様が教えてくれたこと』『ディズニーサービスの神様が教えてくれたこと』(共に、ソフトバンククリエイティブ)、『ディズニーの絆力』(アスコム)がある。

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