第1話 夢の途中

「なるほど……。『おもてなし』は表裏のない気持ちで見返りを求めない気配りのことを言い、『サービス』は相手に気づいてもらうことを前提とした気配り……か。」

『音楽は、耳だけで聞くものではありません。心と体で感じるものなんです』

『人を幸せな方向へ導きたいと願うあなたを、心から尊敬します』
僕は、胸が熱くなるのを感じた。仕事だけでなく、自分の生き方をも認めてもらえた気がして、自然と涙が溢れてきた。誰かが見ていてくれるということは、こんなにも嬉しいものなんだ。
第2話 笑顔のスポットライト

何と、倉庫に保管されている大きな笹が、すべて金色に輝いているとのことだ。
いったい、何が起きたというのだろうか。夢の国とはいえ、本当に誰かが魔法をかけたとでも……?

でも、よかれと思って取った行動が、必ずしも相手にとって幸せなこととは限らない……。人を笑顔にしたり、孤独を解消したりすることは、どんなプロフェッショナルだって難しいことなんだと私は思う。

環境が変わらなくとも、ものの考え方や見方を切り替えることで、人生はいくらでも変えることができる。表も裏もないおもてなしの心があれば、人を笑顔にすることもできる。
第3話 世界にひとりの魔法使い

「だって、私はパークの外の駐車場勤務に過ぎませんから。ミッキーにも会えなければ、魔法と言われるパフォーマンスもできませんし……。だから、変に期待させたくないのと……自分がみじめになるんです」

「人の喜ぶ顔を見るとやっぱりワクワクするのよね。おもてなしをすることで、時に、自分の心が洗われることもある……っていう感じかしら」

「ミッキーは、ダッフィーがいつも一緒にいてくれることで、長い長い航海も乗り越えられるように、弘明君のママも、弘明君が一緒にいてくれるだけで充分励まされてると思うよ」