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[Si新書]基礎から学ぶ機械工学

門田 和雄:著者

キカイを学んでものづくり力を鍛える!

「ものづくり」の基礎となる機械工学を学ぶことにより、ヒは初めて「何らかのエネルギーの供給を受けて動く形のあるモノ」を作れるようになります。本書では「材料」「流体」「熱」「機構」「制御」「工作」などの視点から、機械工学をわかりやすく解説します。

第1章 丈夫な機械をつくるには:材料力学
第2章 機械を上手に動かすメカニズム:機械力学、機械要素
第3章 上手に機械をつくるには:機械工作
第4章 機械をつくる材料のいろいろ:機械材料
第5章 水や空気に囲まれた機械:流体力学と流体機械
第6章 熱の力で動かす機械:熱力学と熱機関
第7章 センサとアクチュエータで動く機械:センサとアクチュエータ
第8章 機械を上手にコントロール:制御工学

■著者紹介
1968年生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科技術教育専攻修士課程修了。現在、東京工業大学附属科学技術高等学校機械システム分野教諭。機械技術教育の実践と研究を活動の柱として、機械やロボットに関するさまざまな教育研究活動に取り組んでいる。
おもな著書に『図解もの創りのためのやさしい機械工学』(技術評論社)、『新しい機械の教科書』(オーム社)、『絵とき機械要素基礎のきそ』(日刊工業新聞社)、『ねじ図鑑』(誠文堂新光社)などがある。

定価:990円(本体900円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2008年9月17日(水)
  • ISBN:978-4-7973-4886-6
  • サイズ:新書
  • ページ数:216
  • 付録:-
キカイとは何か?

キカイとは「何らかのエネルギーの供給を受けて、決められた動きをするメカニズムをもち、何らかの有用な仕事をする」と定義されます。これだけではむずかしいと思うので、もう少し説明を加えます。ここでいう「エネルギー」とは、ガソリンエンジンならば、ガソリンの爆発による熱エネルギー、ロボットならば各関節にある電気モータを動かすための電気エネルギー、風車や水車ならば空気や水が運動するエネルギーがあてはまります。すなわち、キカイは何らかのエネルギーで動き、エネルギーなしで勝手に動きだすことはありません。

ソレノイド

電磁石のコイルに電流を加えたときに発生する電磁力によって、吸引力を発生させるアクチュエータです。ストロークは小さいのですが、すばやく応答できるため、家電製品や自動車などに幅広く使用されています。直流ソレノイドと交流ソレノイドがあり、後者のほうが吸引力やストロークが大きく、動作も早いという特徴があります。

交流モータ

家庭や工場のコンセントなどから供給される時間とともに電流や電圧が変動する交流(AC)で作動するモータです。交流には一般家庭で用いられている単相交流と工場などで用いられている三相交流があり、三相交流は電線1本あたりの送電電力が大きいという特徴があります。交流モータは作動原理の違いによって、さらに分類されます

ステッピングモータ

パルス信号が送られるたびに一定の角度[°]だけ回転するモータです。この回転角をステップ角といい、これを小さくするほど位置決め分解能が高くなります。ステッピングモータはサーボモータほど高回転・高トルクは得られませんが、安価で位置決め精度が高く、プリンタやコピー機など、身近な家電製品に多く用いられています。

ガス溶接

ガス溶接は可燃性ガスと酸素を混合して、金属を加熱、溶融して接合する溶接法です。ガスの種類としては、約3000℃の高温が得られる酸素とアセチレンの混合ガスが多く用いられます。2種類のガスを適正な値に減圧して溶接トーチ部で点火した溶接炎は、炎のもとが白色になる部分が短く見える中性炎にして用います。

アーク溶接

アーク溶接は、電気の放電現象によって発生する約3000℃のアーク熱を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接法です。代表的なアーク溶接は、被膜アーク溶接棒と母材をそれぞれ電極として、電極を溶かしながら進める溶極式です。アーク溶接の実技では、溶接棒をホルダではさんで電気を加えたあとに母材に近づけて、すべらせるようにしてアーク熱を発生させます。

スポット溶接

スポット溶接は、2 枚の金属板を重ね合わせて、これを丸棒状の銅合金電極で加圧しながら通電します。通電された金属材料は、抵抗熱により局所的に溶融状態となり、電極からの圧力が加わった点状に圧接されます。この方法は溶接時間が非常に短く、作業効率が良いため、鉄道車両や自動車ボディなどの溶接法として広く利用されます。

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