茎をたくましくする「エチレン」

植物は、”接触する”という刺激を感じると、からだの中でエチレンという気体を発生させます。エチレンには、茎の伸びを抑えて、太くする作用があります。ですから、植物は土と接触すると、エチレンによって、茎が太く短くなり、背丈の低いたくましい芽生えになるのです。
「接触刺激」で、きれいな花が咲くのか?

茎を短く太くする薬が市販されていますが、薬を使わずに茎を短く太くしようと思えば、キクをなでまわして育てればいいのです。日がたつにつれて、なでまわさない鉢植えのキクと比べて、なでまわしたキクの茎は伸びず、短く太くたくましい植物になり、大きく立派な花を咲かせます。
からだを再生する「頂芽優勢」

茎の先端にある芽は、頂芽といいます。しかし、芽は、茎の先端だけでなく、すべての葉っぱの付け根にもあります。その芽を、頂芽に対して側芽といいます。側芽は、頂芽が盛んに伸びているときには伸びません。頂芽だけがグングン伸び、側芽が伸びない性質を頂芽優勢といいます。
葉の中の「柵状組織」と「海綿状組織」

葉の表側には、円筒形に近い細胞が規則正しく並んでいるところがあります。これは、柵状組織と呼ばれます。この下には、不規則な形の細胞が並んだ海綿状組織があり、細胞と細胞の間に多くのすき間が存在します。海綿状組織はすき間が多いため、気体の通路に適していると考えられます。
夜に二酸化炭素を吸収する「CAM植物」

光合成にはやはり二酸化炭素が必要で、気孔を開けなければなりません。そこで、「気孔を、太陽光の強い昼間には閉じ、涼しい夜間に開ける」という性質を身につけた植物がいます。これらは、夜の暗闇の中で、二酸化炭素を吸収し、体内に貯蔵します。もちろん暗闇の中で二酸化炭素を取り込んでも、光がないので、光合成には使えません。昼間、光のエネルギーが得られるときに、貯蔵しておいた二酸化炭素を取りだし、光合成に使うのです。
「要水量」とは?(図:身近なCAM植物のアロエ)

植物が消費する水の量は、からだの大きさ、生育している場所の温度や湿度、太陽の光の強さなどによって、敏感に変わります。そのため、植物の水の消費量は、植物を乾燥させて水分をなくしたあとの重さ(乾燥重量)が、1g増えるのに使われる水の量で表すことに決まっています。この量は、要水量といわれます。