オウムも道具をつくる

ある実験で、シロビタイムジオウムは、「ピンを抜き、ネジを回し、ボルトを抜き取った末に輪を回転させて横向きにする」という一連の行動をすることで、実験装置の中に置かれたエサを取り出して食べるという課題をクリアしてみせました。自分1羽でそれを考えて実行することももちろん可能ですが、だれかがするのを見て、それを「模倣」する方がずっと簡単です。その相手が仲間の鳥でも人間でも、このオウムは簡単に学習して、より短時間で課題をクリアできるようになります。
カケスの脳には「地図アプリ」がある

カケスは、最大4千か所にものぼる隠し場所を、正確に記憶します。どこに隠したか、忘れることはめったにありません。それはまさに、どこにドングリをしまったか、きっちりマークされた「地図アプリ」を脳の中にもっているようなものです。隠し場所の記憶はいつでも引き出せますし、どこのものを食べて、どこに食べ物が残っているのかも、すべて明確に脳内地図にプロットされています。そうした完璧な記憶力を人間はもちません。
ヨウムは人間の概念を理解する

大型のインコであるヨウムは、気性も穏やかで、好奇心も強く、安心できる相手と認識した人間を深く信頼するようにもなります。この鳥、ヨウムに、多くの「もの」の名称を人間の言葉、発音のままに記憶させ、さらに数字や色などの概念も理解させることで、人間の言葉による直接コミュニケーションが可能であることが証明されています。
ヒマラヤを越えてゆくアネハヅル

迷鳥としてまれに日本にも飛来するアネハヅルは、インドとユーラシア中部(モンゴルなど)のあいだを季節移動します。ヒマラヤ山脈ができる以前から、アネハヅルは現在に近いルートで「渡り」をしていて、ヒマラヤの造山運動の影響によって山脈が成長するにつれて、どんどん高い空を飛ぶようになったのではないかと考えられています。
ミルクで子育てをする鳥たち

哺 乳類の母乳に比べて、ピジョンミルクには、脂肪分とタンパク質が多く含まれています。ハトはこのミルクをヒナに与えて子育てをします。ミルク を つくることができるのはメスだけでなく、つがいの相手のオスも可能であり、両親からミルクをたっぷりもらうことで、ヒナはあっという間に大きくなります。
孵化するタイミングを揃えて生まれてくる

同時に抱卵に入ったとしても、十~十数個の卵がぴったり同じ時刻に孵化をするとは限りません。カモ類の抱卵期間は28日~29日ほど。それだけの期間の抱卵の場合、ほかの鳥であれば半日から1日ほど孵化にずれが出てくることもふつうです。しかし、カモの場合、±1時間ほどの幅という、測ったようなぴったりの時間で卵から出てきます。親からすれば、とてもありがたいタイミングですが、もちろんそれにも理由があります。