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[タレス]「万物の根源は水」の何が哲学なのか
[ピュタゴラス]「すごい。数と世界は、同じ構造だ。美しい」
[ヘラクレイトス]「哲学」に対する最大最強の批判者
[パルメニデス]「ないはない」は無敵で究極の論理
[デモクリトス]「いや、ないもあるよ」と言った「笑う哲学者」
[ソフィスト]哲学者によって葬られた知の巨人たち
[ソクラテス]哲学者とは死刑を覚悟で対話する人のこと
[プラトン]「イデアのほうこそ現実だ」西洋哲学ここに始まる
[アリストテレス]「あらゆる学問は、余の前にひれ伏せ」王者の哲学
[ゼノン(ストア派)]あなたの肉体は「あなた」ではない!? …など -
[フィロン]「哲学よ、きみを真の神に導こう」
[イエス]「貧しい人は幸せだ」それが現実とならねばならない
[パウロ]資格や条件がなくても、無力な私たちは救われる
[オリゲネス]分け隔てない教育のために去勢した本物の哲学者
[アウグスティヌス]「ギリシア哲学の驚きなどくだらない」
[アンセルムス]「神の存在証明」は実はものすごい議論だった
[アベラール]「ヨーロッパのソクラテス」! 論戦無敵の超天才
[ベルナール]アベラールの社会的抹殺を企てた修道院長
[イブン・ルシュド]イスラーム哲学から来たアリストテレスの逆襲
[トマス・アクィナス]『神学大全』とはどういう書物か …など -
[ベーコン]「イドラ」に注意して、物事をよく観察せよ
[デカルト]結局「我思う、ゆえに我あり」の何がすごいのか?
[ホッブズ]しょせん「私」とは利己的な存在だと認めなさい
[パスカル]なぜ哲学者たちは不正にものを考えるのか?
[スピノザ]感情に振り回されずに生きるためのものの見方
[ライプニッツ]こんな世の中でも、論理的には最善なのだ
[ロック]「生まれつきの素質などない」平等の哲学
[バークリ]常識的に考えれば、物体は存在しない
[ヒューム]「人間は思考を過大評価しすぎ」傲慢と偏見の告発者
[カント]夜空の星々と私たちの心は同じくらい尊いものだ …など
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[ショーペンハウアー]ドイツ観念論の哲学、絶対に許さない
[キルケゴール]真理を求めるなら、神との対話しかない
[マルクス]共産主義は自己実現の最終目的地だ
[ニーチェ]数ある名言の根底にある1つの哲学を教えよう
[ベルクソン]乗り越えられそうで乗り越えられない「生」の哲学
[フッサール]現象学の基本中の基本
[ハイデガー]20世紀最 大の哲学書『存在と時間』を解読する
[サルトル]「ない」を考える哲学
[バタイユ]エロティシズムVSプラトニズム
[ウィトゲンシュタイン]善悪を論じるのが哲学だと勘違いするな …など -
哲学の森は広く深い。
うっそうと生い茂っていて見通しがきかず、うかつに分け入ると自分がどっちを向いているのかさえ分からなくなる。
おまけにこの「森」は、哲学者という人類の中での飛び切りの変人たちが代々拡張してきたものだ。
そのどれも、普通のやり方では答えに近づくことはおろか、問うことすら難しい難問に挑んできた面々だ。
一本の「木」ですら、まともに相手をしようとすれば、おそらく一生涯をかけても足りない。
けれども本当は、別の付き合い方だってできるはずだ。
森を作るすべての木について知ることはできなくても、端から端へと通り抜けてみると、森の様子はもちろん、一歩一歩の木が持つ個性だって、以前よりよく分かってくる。
そうすれば、自分なりの木や森とも付き合い方がわかるかもしれない。あなただけの1本が見つかるかもしれない。
特上のガイドが案内する、哲学の森のショートトリップ。
知の冒険への招待状、届きました。
(読書猿) -
哲学とは「人間とは何か」「世界とは何か」を根本から問いかける学問です。
しかし、現代に生きる我々は、どうしても近代以降の価値観(科学など)で、それらの問いに安易な答えを与えがちです。たとえば、「世界は原子という粒の集まりで出来ていて、その粒が『何もない空間』を物理法則に従って運動している。それが世界のすべてだ」などなど。
もちろん、それは「世界とは何か」に対するひとつのわかりやすい回答かもしれません。
しかし、一方で、古代の人々はもっと純粋に、澄んだ目で、世界の本質を深く問いかけます。「何もない空間ってなんだよ! 『何もない』なら、何もないんだろ? じゃあ、そんな場所は存在しないんだから、そこに粒も存在できないだろ! だいたい、本当に『何もない』なら、それを語ることもできないじゃないか! いや、だとしたら、そもそも人間が語っている『何もない』ってなんなんだー!?」
まさに根本的な問いかけ――言われるとハッとするような本質的な問い。こうした問いは、科学的世界観で一辺倒だった近代以降の時代よりも、むしろ古代や中世の時代においてよく見つかるものです。
本書は、書店に溢れている「わかりやすい哲学入門書」=「みんなが納得するわかったつもりになりやすい近代の価値観で書かれた入門書」ではありません。哲学(問い)の本質を読者に突きつける、まったく新しい哲学の教科書であり、最強の哲学入門書なのです。かつて『史上最強の哲学入門』という本を書いた私が、白旗を上げつつ、この場でみなさんに推薦いたします。ネオ、おまえが史上最強だ。
(飲茶)