
[Si新書]巨大高層建築の謎
古代から現代まで技術の粋を集めた建造物のおもしろさ
巨大木造建築物と聞けば奈良の東大寺大仏殿が有名ですが、世界にはこれを12個並べてなおはみ出すような、常識外れの建造物が現存しています。本書は、クフ王のピラミッドから高さ800m超のブルジュ・ドバイまで、巨大高層建築の謎に迫ります。
法律を改正してまで建築した霞ヶ関ビルから40年。日本の巨大高層建設がここから始まりました。柔構造の解析設計を使い、大型H型鋼やスリット壁を採用したりと、いまでは当たり前になっている多くの技術が、霞ヶ関ビルの開発時に生まれています。セルフクライミング方式のタワークレーンも、安全な避難階段や防災センターでの集中管理方式も、ここからでした。このように、世界に名だたる巨大高層建築物には、ケタ違いの知恵と技術と資金が投入されています。本書は、いくつもの巨大建築プロジェクトに関わった著者が、建築に秘められたエピソードを絡めながら、過去から現代に至る巨大高層建築の謎に迫ります。
第1章 日本の超高層ビルの歴史と技術
第2章 超高層ビルを支える技術、守る技術
第3章 摩天楼の歴史と技術
第4章 古代の巨大高層建築
第5章 巨大高層建築のいろいろ
■著者紹介:高橋俊介
Shunsuke Takahashi
1952年、高知市生まれ。1976年東京大学工学部建築学科卒。コロンビア大学、ハーバード大学で建築およびアーバンデザインの修士号取得。天王洲シーフォートスクエアなど巨大プロジェクトに多く参画。海外業務も多く、ベトナムの開発プロジェクトは15年におよぶ。また超高層ビルや商業施設の設計監理の現場知識に基づくプロジェクト・マネジメント能力と英語力を買われて、マンダリン・オリエンタル東京、ザ・ペニンシュラ東京のプロジェクト・マネジャーを務めた。テンフェイ総合計画代表。アーバンデザイナーで一級建築士。趣味は飛行機。