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新旧メディア戦争

赤城 稔:著者

IP企業が日本を制する日

「2カ月戦争」と呼ばれるこの歴史的買収劇をひも解くと、時代の大きなうねりが見えてくる! ――後戻りのできない壮絶な覇権争いが起こっているなか、「日本のDNA・価値観」は今どこに向かおうとしているのか? 何が始まり、何が終わったのか?

■「M&Aは善だが、買収は悪」「創造は必要だが、破壊はしたくない」「融合は美しいが、敵対は汚らわしい」。そんな矛盾が日本人の美学だ。時代を超え、脈々と受け継がれてきた、そうした日本のDNAや価値観は今、どこへ向かおうとしているのか。そもそも、日本の価値観とはどのようなものだったのか。今、日本経済はどのようなステージにあるのか。この壮大なるジャパンドリームのドラマをきっかけに、そんなことを考えてみたいと思った。
■第二次世界大戦後、日本はある意味、最も完成された社会主義国家として成長してきた。そうした国が、今、本気の資本主義の洗礼を受け、翻弄されている。ジャパンローカルの資本主義観を脱皮すべく、葛藤を続けている。江戸時代の徳川幕府と同じように、外資という黒船におびえている。しかし、資本主義の伝播は、その内部にも黒船を建造した。内なる外圧として、たとえばライブドアをけしかけた。
■あの2カ月戦争に、融合などという目的は端からありはしなかった。そこにあったのは、通信と放送ではなく、ニューメディアとオールドメディアの覇権争いなのだ。食うか、食われるか、弱肉強食の世界が幕を開けた。「大人の解決」は、人類の知恵ではあるが、そんな言葉は、そもそも資本主義の辞書にはない。
■テレビは茶の間の象徴であり、家族や世帯をつなぎ止めるメディアでもあった。パソコンは個を象徴する。個が勝てば、固定電話が携帯電話に取って代わられつつあるように、テレビの存在意義は希薄になる。地上波と衛星、デジタルとアナログ、加えてケーブルテレビという世界の中のカニバリゼーションがクローズアップされる。最終局面においては、そこに融合などという結論はあり得ない。どちらかがどちらかを飲み込むことでしか、この争いは終わらない。本書によって、私たちを取り巻く大きな時代のうねりの一端を、解きほぐしたい。

(プロローグより抜粋)

定価:1,048円(本体952円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2005年6月15日(水)
  • ISBN:4-7973-3187-9
  • サイズ:46判
  • ページ数:216
  • 付録:-

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