父のいた日々
主人公のチョンスは、韓国中央省庁に勤める中年男性。仕事と酒で帰宅が遅く、家庭での影は薄い。そんなチョンスが突然、膵臓ガンの末期宣告を受ける。家族に打ち明けることもできず、やけ酒をあおっては、家族から孤立していく――。解説・蓮池 薫
【著者】
金 正賢
(キム・ジョンヒョン)
1957年慶尚北道(キョンサンプクト)栄州(ヨンジュ)生まれ。1996年に刊行した2作目の小説『アボジ』(邦題:父のいた日々)が350万部を超える大ベストセラーとなり、韓国で「『アボジ』シンドローム」を巻き起こす。 長編小説としてほかに『オモニ(母)』『道を失った人々』、エッセイ集『中国を読む』などがある。
【訳者】
金 重明
(キム・チュンミョン)
1956年東京生まれ。1997年「第8回朝日新人文学賞」受賞。長編小説に『算学武芸帳』(朝日新聞社)『皐(みぎわ)の民』、『巨海に出んと欲す』(以上、講談社)など。翻訳、ノベライゼーションに『済州島四・三事件』(新幹社・共訳)、『JSA-共同警備区域』(文春文庫)、『天国の階段』(角川書店・角川文庫)など多数。