
[Si新書]タテジマ飼育のネコはヨコジマが見えない
あるのに見えない、ないのに見える 感覚と心の不思議
タテジマ模様の部屋で育てられたネコは、床がタテジマだと飛び降りられるのに、ヨコジマだと飛び降りることができない。これは脳の働きが原因だが、同じことは人間でもいえる。男に見えないバターとは? ない腕が傷むとは? 感覚の世界の不思議を解き明かす。
「確かに存在するのに、見えないものがある」。これはタテジマ飼育のネコだけでなく、私たち人間にも当てはまります。男と女の脳ソフトは別物であり、女には見えていても男には見えない「冷蔵庫のバター」や、女には見えない「透明男」。説明されると、「あぁ、確かにそうだ」と思うことが世の中にはたくさんあり、それはすべて「感覚の世界」の問題なのです。身体からは切断した腕、光にはついていない赤色、砂糖にはついていない甘味、風にはついていない音、バラからでる気体にはついていない匂いなど、外界には存在しないのに心の中にわきあがる感覚。本書ではこの感覚の世界の不思議を解き明かします。