温泉沈殿物(湯の華)

湯の華とは温泉に溶けている成分が温泉の湧出時に温度や圧力などの急激な変化により固体(結晶)として析出するものです。これは温泉が通常の水とは違い、多くの物質を溶存している特異な水であることを示しています。ほのかな香りを漂わせながら湯の中に出現する白や黄色の結晶は、湯けむりととともに、温泉地の風情を代表するもののつです。
ORP値─若返りの成分─

温泉水の性質の1つにpHや溶存化学成分とともに重要なものとしてORP(酸化還元電位=Ehともいう)があります。温泉など天然の湧水は、湧出して間もない新鮮なものほど還元的で、時間が経つにつれ酸化的になり、温泉としての質が低下していきます。
温泉の数と源泉

平成23年度の統計(環境省自然環境局)では、宿泊施設が軒以上ある場所を温泉地として、全国で3108カ所の温泉地があります。宿泊施設数は1万3754軒、その収容定員は139万4107人で、宿泊者数は年間で延べ1億2006万人余となっています。また、温泉の源泉数は、全国で2万7531で、温泉開発により大幅に増加しており、そこからの湧出量(揚湯量も含む)は毎分268万1673Lに達し、これはドラム缶(200L)に換算すると毎分およそ1万3000本以上ということになります。
怖くない放射能温泉

放射能温泉はラジウムやラドンなど微量の放射性元素を含む温泉ですが効能を見ると、痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆のう炎、慢性皮膚病など多くの効能が書かれてあり、放射能温泉は身体によいとされています。その理由は放射能の強さ(放射線量)にあります。放射能はたくさん浴びるとよくありませんが、適度な量(微弱)ならば身体に害はなく、むしろ微弱な放射能の短時間照射は免疫細胞を活性化させるなど、身体によい結果をもたらすといわれているのです。
温泉の発見

全国には数多くの温泉がありますが、温泉にまつわる伝承話は多く、各地に発見伝説があります。温泉の発見者といえば、人間ばかりではなく、動物が発見したものもあります。温泉の名前には全国的に鶴の湯、鳩ノ湯、白鷺の湯、鷹の湯、鹿の湯、熊の湯など動物の名前を冠したものがたくさんありますが、これはかつて多くの動物が温泉を利用していたことを物語っています。
温泉水の起源

温泉水の起源は大部分が雨水などの天水が地下にしみ込んでできた地下水であるといわれていますが、温泉によってはそれ以外の水、たとえば海水や地下深部のマグマやマントル起源の水が温泉となっている場合もあります。海水といっても現在の海水とはかぎりません。太古の昔の海水が内陸の地下に閉じ込められ(これを化石海水といいます)、それが温められて温泉になったものもあります。