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[Si新書]うまい雑草、ヤバイ野草

森 昭彦:著者

日本人が食べてきた薬草・山菜・猛毒草 魅惑的な植物の見分け方から調理法まで

DEAD or ALIVE 食べるとヤバイのはどっち!?

 

野や山、いやもっと身近なところに、おいしい雑草や野草は生えています。
そんな宝物を見つけて、おいしく調理して食べたときの喜びは格別です。
ただ、似て非なる危険な猛毒草もなかにはあるのです。
その見分け方の秘訣を、本書でバッチリ解説していきます。

 

第1章 生と死のロンド~おいしい山菜はこちら。ああ、そっちはものすごい毒草ですから~
羹に懲りて膾を吹く――プロローグ
雑木林で高級和食を――オオバギボウシ・コバギボウシ
タイムリミットは30分――バイケイソウ・コバイケイソウ
猛毒草は「思いのほか美味」――ハシリドコロ
良薬はほろ苦く美味――フキの仲間
失われた名医のレシピ――フクジュソウ
果てしなくマズい劇薬――ヤマトリカブト
食えるヨモギ、食えないヨモギ――ヨモギ・オトコヨモギ
もうカッコウが鳴いたから――セリ・キツネノボタン
天国への階段――ギョウジャニンニク・ドイツスズラン
道くさ喰ってぼけ防止――ノビル・スイセン
猛毒草と高級スパイス――イヌサフラン・サフラン
道ばた毒草ガーデン――ヒレハリソウ・ジギタリス
基本毒草。ときどき山菜――エンゴサクの仲間、ケマンの仲間
毒蛇たちの甘味な誘惑――マムシグサの仲間

第2章 美食倶楽部~その雑草、結構ウマいです。ええ、食べ方はですね~
鬼も十八、番茶も出端――プロローグ
脂料理にちいさなクレソン――タネツケバナ・オオバタネツケバナ
生春巻きと天ぷらでお片づけ――ドクダミ・ツルドクダミ
スズメのお茶うけ――カタバミの仲間
そっくりだけど風味は両極――ヤブガラシ
浜辺のお野菜――ツルナ・ハマダイコン
完全武装の美味なる巨塔――ハマアザミ・フジアザミ
元・観賞用植物の味わい――ハルジオン・ヒメジョオン
道ばた野菜の世代交代――イヌビユ・ホソアオゲイトウ・アオビユ
道くさソラマメ道中――カラスノエンドウの仲間
陽だまりタンポポ一家――コウリゾナ・セイヨウタンポポ
栽培が奨励された雑草――ノゲシ・オニノゲシ
絶品! 道ばたマメの旅――ナンテンハギ・クサフジ
意外とウマい道ばた名医――オオバコ・ヘラオオバコ
この難問も宵の口――マツヨイグサの仲間
召しませかわいい顔色を――ヒルガオの仲間
近未来SF世界的「春菊」――ダンドボロギク・ベニバナボロギク
ボクボクとしてしっこらしっこら――ギシギシ・エゾノギシギシ
雑草でフレンチなエスプリを――スイバ・ヒメスイバ
――野いちごたち――
最高級の甘い香水――シロバナノヘビイチゴ・エゾノヘビイチゴ
路傍の果樹園――クサイチゴ・モミジイチゴ
風変わりな大人のイチゴ――ナワシロイチゴ・フユイチゴ

第3章 山中放浪記~身近な野山はさらに絶品。いやあ、食べ方も風変わりでしてね~
山葵と浄瑠璃は泣いて誉めろ――プロローグ
あぁ、あこがれの「スミレのトロロ」――スミレの仲間
きわめてマズいワサビの味わい――ワサビ・ユリワサビ
うまい提灯、まずい風鈴――アマドコロ・ナルコユリ・ホウチャクソウ
食卓のジジババ賛歌――ジイソブ・バアソブ
香味豊かな美食家ハーブ――ノダケ・シャク
山の鬼婆はホクホクと――オニユリ・ウバユリ
幻獣「淫羊」のものすごい霊験――イカリソウの仲間
山野のお宝「青い鐘」――ツリガネニンジン・ソバナ
あぁ、またも垂涎「ミズトロロ」――ウワバミソウ・アオミズ
華麗なる「コウモリの一族」――カニコウモリ・モミジガサ
「永遠の幸福」は他力本願――ミズヒキ・ギンミズヒキ・キンミズヒキ
山菜版「クサヤの干物」――オミナエシ・オトコエシ
水辺の珍味は「万葉の野菜」――ミズアオイ・コナギ
――珍味中の珍味――
潜って逃げるよ山の美味――カタクリ
解毒薬なのに食べると毒薬――オキナグサ
疫病悪鬼を追い払う珍味――オケラ
峻厳なる深山の「幻の味」――クロユリ

定価:1,210円(本体1,100円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2011年8月17日(水)
  • ISBN:978-4-7973-5637-3
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:224
  • 付録:-
  • 「サフラン」

    ▶収穫期:秋(晩秋)
    ▶利用部位:メインはメシベ。オシベも使える。

    スパイス界のセレブリティー。花期にも葉が茂る。朱色のメシベが高級スパイス。ハーブティー、サフランライス、リゾット、スープなど広範囲に活用できる。新鮮なサフランティーは簡単で風味絶佳。メシベ6~9本をティーポットに入れてお湯を注ぐだけ。心の奥まで温まる。

  • 「キツネノボタン」

    《《《 有毒 》》》

    茎や葉にまばらに白い産毛。黄色の花には光沢あり。セリ、ヨモギの群落に混ざって生える。誤食すると胃腸の粘膜を刺激して腹痛、下痢を起こす。セリ摘みのときにうっかり一緒に収穫・摂取することが意外と多い。

  • 「ヤマエンゴサク」

    ▶収穫期:春
    ▶利用部位:若葉・花

    花色は淡いスカイブルー。葉の形は地域などによって変異が多く、一定しないため、とにかく花のない時期の採取は避ける(ほかの有毒なエンゴサクと混乱しかねない)。若葉はお浸しやサラダに。花もサラダや酢の物として。

  • 「コヒルガオ」

    ▶収穫期:春・夏
    ▶利用部位:若葉・花

    花のサラダ、花の天ぷら。根茎は天ぷら、煮物で。ヒルガオも同じように利用可能。

  • 「マルバアメリカアサガオ」

    《《《 食用にならない 》》》

    花色は淡く透明な青紫。萼が5裂し長い毛が密生。茎にも毛が生える。野辺で帰化するアサガオたちは多彩におよび、葉の形、萼の毛の有無に注目すると識別が容易になる。

  • 「マメアサガオ」

    《《《 食用にならない 》》》

    とてもちいさい可憐な種族。ピンクや白のおちょぼ口をちょんちょんとあしらう様子がとても愛くるしい。これも帰化植物で、耕作地やその周辺の荒れ地で見られる。

  • 「ヤマトリカブト」

    《《《 有毒 》》》

    [特徴] 葉が大きい(10cmほど)。葉に柄がある。茎や葉に目立つ毛はない。致死毒。

  • 「ニリンソウ」

    [特徴] 春に花が咲き、夏に枯れる。葉に柄がない。山菜として愛されるが、花のない時期、若芽のときはヤマトリカブトと間違えやすいので特に注意が必要。慣れないうちは避ける。もっとおいしい雑草・山野草はいくらでもあるのだから。

  • 「ゲンノショウコ」

    [特徴] 葉は3~5cmほどとちいさく、切れ込みが浅い。うぶ毛が多く生える。健胃、整腸、下痢・腹痛の緩和、ときに強壮剤として活躍しているが、ゲンノショウコのつもりがトリカブトを採ってしまう事故が少なくない。こちらも慣れないうちは避ける。

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著者紹介

著者・森 昭彦

1969年生まれ。サイエンス・ジャーナリスト、ガーデナー、自然写真家。1999年より自宅でガーデニングを始め、1000種以上の試験栽培や関東圏でのフィールドワーク、国営公園における植栽管理を通して、雑草の発生や栽培種への影響を調査し、執筆・撮影を行う。著書は、『身近な雑草のふしぎ』『身近な野の花のふしぎ』『うまい雑草、ヤバイ野草』『身近にある毒植物たち』『身近な雑草たちの奇跡』(すべてSBクリエイティブ)など多数。

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