
古代ヘブライ人の考えた宇宙の姿である。彼らにとって、地上の世界とは水に囲まれる円盤のようなものであった。横方向は海で囲まれていて、さらに上下にも水が満たされているというのだ。ほかの文明ではまた異なるさまざまな宇宙観があるが 、おおむね古代の人々が考える宇宙とは、自分たちの住んでいる場所を中心に、その周りに見たこともない世界が広がっているというものだ。古代の人間にとって究極の疑問であっただろう。

ブラックホールとは、あまりに強い重力のために時空間が極端にゆがみ、その結果として光すらもそこから逃れられなくなってしまった状態のことである。この現象が数多く見つかっているのは、天の川銀河系の中心部分を運動する星を約20年にわたって観測し、その軌跡を描いたものです。中心部にある超巨大ブラックホールの周りを回転している。

現代の精密な宇宙観測の数々は、ビッグバン理論にとてもよく説明できる。大きなスケールにおける宇宙のゆらぎが精密に観測できるようになった。それは、ビッグバン理論にもとづいて計算した理論予言と驚くほど一致する。代表的な例が、宇宙マイクロ波背景放射のゆらぎである。宇宙マイクロ波背景放射ができたときには宇宙の温度は3000ケルビンほどだった。

光は電子に進路を遮られるという性質があるので、自由電子が多いところをまっすぐ進むことができない。ところが、宇宙が中性化してしまえば、自由電子がほとんど原子に取り込まれ、中性原子ばかりになり、光がまっすぐ進めるようになる。宇宙が透明になったといってもよい。これを「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶ。この名前は日本語独自のもので、宇宙物理学者、佐藤文隆氏による命名です。

地球の衛星である月は、太陽系ができて間もない、いまから約45億5000万年前に誕生した。あるとき、火星ほどの大きさの天体が地球に衝突したと考えられている。この仮想的な天体はテイアと呼ばれ、衝突により大量の岩石状物質が宇宙空間に放りだされた。それらの岩石状物質は地球の周りを円盤状になって回転し、そのうち集まって1つの天体になる。それが現在の月になった。この仮説を月の起源に対する巨大衝突説という。

地球には、常に隕石は衝突しているが、たいていは地上に届く前に大気圏で燃え尽き、流れ星となって私たちの目を楽しませてくれる。 いまから約6500万年前、直径10kmもの巨大な隕石がメキシコのユカタン半島に衝突した。恐竜を絶滅させる原因になったと考えられている。一方、哺乳類は体も小さく柔軟だったせいか、過酷な出来事を生き延びることができたのだ。