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[Si新書]人体の限界 

山﨑昌廣:著者

人はどこまで耐えられるのか 人の能力はどこまで伸ばせるのか

人間はどこまで耐えられるのか?
人間の能力はどこまで伸ばせるのか?
生理学、心理学、運動学、生物学、物理学、化学、栄養学などの観点から、人体の限界を図解イラストで解説。
人体の限界を知り、健康的な生活を送るための画期的な科学教養書。

■目次:
第1章 運動機能
第2章 神経機能
第3章 心理機能
第4章 代謝機能
第5章 適応機能

定価:1,100円(本体1,000円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2018年3月16日(金)
  • ISBN:978-4-7973-8843-5
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:256
  • 付録:-
視覚の限界

白い紙を照らしたときに対象物を識別できる限界を示したもの。照度は光源によって照らされている面の明るさの程度を示し、輝度は光源のまぶしさを示す光量で表される。輝度の単位はカンデラ。

聴力の許容限界

世界保健機関(WHO)による聴覚障害の基準では、25dB以下を聞き取ることができれば障害なし、1m離れていて普通の声(26~40dB)を聞き取ることができれば軽度難聴、1m離れていて大きな声(41~60dB)でしか聞き取ることができなければ中度難聴としている。人間ドックの判定基準と考え合わせると、40dBあたりまでの聴力が許容限界。

跳ぶ能力

筋線維は速筋線維(白筋線維)のほうが遅筋線維(赤筋線維)よりも瞬発能力に優れていて、速筋線維の割合と垂直跳びの記録との相関は高い。筋線維特性は、トレーニングなどで変えることはできず、生まれつき決まっているので、高く跳ぶ能力もある程度は天性のもの。

潜る能力

スキューバダイビングよりさらに大深度に到達できる潜水方法がある。飽和潜水と呼ばれている方法である。高圧ガスを呼吸するとそのガスが身体に溶解する。その量はある圧力下では一定となり、それ以上溶解することはない。(飽和状態)。こういう状態であればその深度に長く滞在することができ、潜水効率がよくなる。ただし、浮上する際にはやはり減圧症に注意が必要である。

低体温の限界

深部体温が35℃を下回ると身体が激しく震え、30℃を下回ると震えは消失して身体が動かなくなり、意識も薄れていく。25℃以下になると仮死状態となり、20℃を下回ると心臓機能が消失し、生存できる確率が低くなる。低体温がどのくらいの時間続くかによっても変わってくるが、深部体温30℃が生命を維持するための限界低体温と考えてよい。

やけど

高温ではなく身体にとって心地よい温度であっても、長く接触しているとやけどが起こる。これは低温やけどと呼ばれる。タンパク質が変性する温度は42℃。42℃はお風呂の少し熱めの温度。この程度の温度であっても、6時間接触したらやけどが起こったという報告がある。44℃であれば3~4時間程度、46℃であれば30分~1時間程度でやけどする。圧迫を加えるとやけどするまでの時間は短くなり、50℃ならば2~3分でやけどの症状が出てくる。これらが低温やけどの限界温度・時間と考えてよい。

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著者紹介

山崎昌廣(やまさき まさひろ)
広島文化学園大学・教授(人間健康学部開設準備室室長、平成30年4月より人間健康学部学部長就任予定)。広島大学名誉教授。医学博士(熊本大学)。九州芸術工科大学芸術工学部専攻科(現九州大学芸術工学部)修了。熊本大学体質医学研究所生理学研究部及び広島大学大学院総合科学研究科身体運動科学研究部門において、スポーツ健康科学、アダプテッドスポーツ科学、運動生理学分野の研究に従事。編著書として、『人間の許容限界ハンドブック』、『人間の許容限界事典』、『高圧生理学』(いずれも朝倉書店)、共著として、『環境生理学』(培風館)、『健康スポーツ科学』、『健康と運動の生理』(いずれも技報堂出版)などがある。

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