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20歳の自分に教えたい日本国憲法の教室

齋藤 孝:著者

「日本国憲法」と聞いて、みなさんは何をイメージしますか?

「よく耳にはする。だけれど、詳しく知る機会がないまま大人になってしまった」
「学生時代を振り返っても、授業できちんと学んだ記憶がない」
「大切だとは思うけれど、個々の人生にどのように関わっているものなのか、真剣に考えたことはない」

そんな風に感じる人が多いのではないでしょうか?

一方で、日々のニュースなどでは、憲法に関連する報道が度々話題になります。
例えば、「憲法9条」「改憲の是非」「天皇制」「個人の尊重」「人権侵害」「勤労・納税・教育の義務」などなど。枚挙にいとまがありません。

ロシアによるウクライナ侵攻で、国内での「改憲論」が再過熱している今、改めて、大人の教養として最低限知っておきたい憲法について、学び直してみませんか?

本書は、教養人として名高い齋藤孝先生が、誰もが理解できるように憲法についてやさしくかみ砕いて解説した1冊となっています。

日本国憲法の原文と、それを平易に言い換えた現代語訳つき!

私たちの当たり前を守り、生き方・人生・世界のあり方について考えるヒントをくれる羅針盤――そんな存在である「憲法」を学ぶ教室が今、開講します。

本書では、まず、憲法の成り立ちや歴史的背景を振り返り、憲法の意義についてご説明します。
そのうえで、憲法の各章に沿って、前文・天皇・9条・国民の権利や義務・三権分立・財政・地方自治・その他憲法自体に関する決まり……の順で、各内容に対する著者なりの丁寧な解説を試みます。

著者である齋藤孝先生が教壇に立った教室で、懐かしのイスに座り、机にノートを広げ、「憲法」に関する授業を受けている――そんな、学生時代に戻った気分になれるでしょう!

章と章の間には、日本以外の憲法を取り上げたコラム、巻末には齋藤孝先生おすすめの書籍や、日本国憲法の全文を掲載しています。

はじめに

0時間目 憲法とは一体何か
◆憲法の始まりは
◆法律と憲法はどこが違う?
◆憲法はなんのために存在するのか
◆もしも、憲法がなかったら

コラム① ポツダム宣言と日本国憲法のつながり

1時間目 日本国憲法はどうやって生まれたのか
◆「憲法」を訳すと?
◆大日本帝国憲法(明治憲法)とはどんなものだった?
大日本帝国憲法(明治憲法)制定までの経緯
「欽定憲法」、その特徴とは
◆大日本帝国憲法(明治憲法)はなぜ改正される必要があったのか?
すべてはポツダム宣言から始まる
変われなかった、政府の憲法改正案
憲法改正はあたらしい国になるために必要だった
◆日本国憲法をめぐって行われた議論とは
連合国は、日本をどうしたかったのか
憲法改正のキーパーソンはマッカーサー……ではなかった
◆日本国憲法は「押しつけ憲法」?

コラム② プロイセン(ドイツ)「プロイセン憲法」

2時間目 いざ、日本国憲法の前文を読んでみよう
◆前文とは何か
理想と理念を示す「宣言」的なもの、それが前文
前文はなくてはいけないもの?
◆前文は、実は少し「残念」?

コラム③ イギリス「マグナ・カルタ(大憲章)」

3時間目 「象徴としての天皇」ってなんだろう
◆主権者はなぜ「天皇」から「国民」へと変わったのか(第一条)
◆「国の象徴」とは何か(第一条)
◆「国の象徴」とは何か(第四条・第六条)
◆皇室典範はなぜ世襲制を定めているのか(第二条)
◆日本国民の「総意に基づく」とはどういうことか(第一条)

コラム④ フランス「人権宣言」「第5共和国憲法」

4時間目 「第9条」のはなし
◆憲法第9条はなぜそんなに重要なのか?
◆「戦争」と「武力行使」はどう違う?
◆自衛隊をどう捉えるか
◆憲法がこれまで改正されなかった理由は?
◆集団的自衛権とその論点

コラム⑤ アメリカ「アメリカ合衆国憲法」「ヴァージニア権利章典」

5時間目 「個人の尊重」ってなんだろう
◆基本的人権とは何か
いろいろな自由の「束」それが基本的人権
「健康で文化的な最低限度」のラインはどこ?
◆法の下の平等とは何か
正当な理由なく差別されないこと
合理的な理由のもとに行われるのは「区別」
◆シーン別にみる「個人の尊重」
1 誕生 生まれながらにして自由が保障される権利
2 選挙 投票に関する保障と権利
3 宗教 信教の自由
4 言論 表現の自由
5 学び 学問の自由、教育の権利・義務
6 結婚 結婚の自由、男女の平等
7 勤労 はたらく権利、仕事を選ぶ自由
8 老後 生活を保障する年金制度
9 その他 勝手に逮捕されない権利
10 その他 国民の義務
11 その他 公共の福祉
12 その他 新しい人権
◆基本的人権を保持するために必要なこと
基本的人権を保持し続けるために必要な「不断の努力」
「不断の努力」、できることは二つある
政治的無関心はつくられたものだ
ネット社会に可能性があるならば

コラム⑥ インド「インド憲法」

6時間目 「統治機構」ってなんだろう
三権分立とは何か?
三権の長は何人?
第四章 国会
◆国会がもつ力とは
◆衆議院と参議院の違いとは
国会の構成は
国政調査権とは何か
弾劾裁判所はどこにあるのか
第五章 内閣
◆内閣がもつ力とは
内閣とはどんなところか
内閣の仕事とは
総理大臣は何でも決めていい?
行政の「実働部隊」は霞ヶ関
官僚が働くかどうかは大臣次第
「文民」とは何か?
第六章 司法
司法がもつ力とは
裁判にはいくつかの種類がある
裁判はやり直しができるのか
第七章 財政
◆国の財政はどのように決まる?
国の財政のしくみ
お金の使いみちを決めるのは誰か
第八章 地方自治
◆国が決めた法律だけでは、実は不十分?
地方自治の意味とは
注目される地方自治

コラム⑦ ドイツ「ドイツ連邦共和国憲法」

7時間目 憲法自体に対する決まり
◆憲法改正のルールとは
これまで改正されなかった理由・その1「骨太」
改正されなかった理由・その2「解釈無限大」
憲法はどこまで改正できるのか
改正してはいけないものがある?
◆なぜ憲法は「最高法規」と言えるのか

コラム⑧ 国によって異なる、憲法改正手続き

おわりに

さらに学びたい人のための参考図書

日本国憲法 全文

定価:990円(本体900円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2023年2月7日(火)
  • ISBN:978-4-8156-1784-4
  • サイズ:新書
  • ページ数:272
  • 付録:-

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著者紹介

著者・齋藤 孝

齋藤 孝 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーに。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。著書に『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』(ちくま文庫)、『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』(ちくま新書)、『新聞力』(プリマ―新書)『こども「学問のすすめ」』(以上、筑摩書房)、『大人の語彙力』(角川新書)等多数。

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