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野球の科学

川村 卓:著者

解剖学、力学、統計学でプレーを分析!

野球の試合を観ていると、「球はそんなに速くないのになぜ打ち取られてしまうのだろう?」「ホームランを打つためには?」「先攻と後攻はどちらが有利なんだろう?」など、素朴な疑問がたくさん出てきます。本書では、こんな疑問を科学的に解説します。

野球の試合を観たことがない人はあまりいないでしょう。野球は少年少女野球から始まり、高校野球、大学野球、そしてプロ野球まで、幅広い層に愛されるスポーツです。野球の試合を観ていると、

「速い球を投げるには?」
「速い球を投げやすい『投げ方』はある?」
「球はそんなに速くないのになぜ打ち取られてしまうのだろう?」
「ホームランを打つためには?」
「スイート・スポットってなんだろう?」
「先攻と後攻はどちらが有利なんだろう?」
「送りバントは有効な戦術か?」
「日米の野球のレベル差はデータから見るとどれくらい?」

など、さまざまな疑問をもったことがあるかもしれません。本書では、甲子園出場経験もあり、現在、筑波大学硬式野球部監督の川村 卓准教授が、こんな野球の素朴な疑問を科学的に解説します。

定価:1,100円(本体1,000円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2021年3月6日(土)
  • ISBN:978-4-7973-9269-2
  • サイズ:新書
  • ページ数:192
  • 付録:-

  • 肩関節の内旋および外旋の動き。オーバー・ヘッド・スポーツ(肘を肩より上げる動作をともなうスポーツ)では必ず必要な動きである


  • 投手の腕の動き。腕がしなる写真②では、肩関節が外旋位、前腕が回外位にあるのに対して、リリース後の写真⑥では、肩関節が内旋位、前腕が回内位にあることがわかる。この動きは結果的にそうなっていることが多く、あまり強調させすぎるとリリースがうまくいかなくなることがある


  • 上記のモデルは速い球を投げるうえでは望ましいが、そのためには肩関節の水平内転トルクなどが必要であり、つまりは筋力もかなり必要である。肩関節周囲の筋力がない選手だと逆に遅くなる可能性がある


  • 通常、縦回転は「お辞儀」をするときの腰の回転、横回転は「バットを振る」ときの腰の回転を示し、投球時はこの2つが合わさることで、斜めから腕が振られる


  • 骨盤が前傾していると、打者方向にステップしようとしたとき前方に倒れ込むようになる。日本で言うようなタメの姿勢ができないことがわかる。逆に日本人的な投球では、片脚でも低い姿勢がとれる。これにより重心は移動するが、極力一気には行かずに、上体を残しながら移動できる


  • ボールが振動節に当たれば、バットはさほど振動しないが、振動節以外に当たると振動する


  • インサイド・アウトの定義は難しいが、基本的には、先にグリップが打撃位置の方向に進んでからヘッドが動き出すことと定義できる


  • バット・スイング速度が速い打者はスイングの後半に、ステップをしっかりしてからインパクトにかけて、ステップ脚の股関節を内転・内旋させるように動く


  • 高校野球はかなり「打高投低」が進んできたと感じる。2005年春のセンバツで準優勝した愛工大名電は「1死2塁」でもバントをしていた

著者紹介

著者・川村 卓

1970 年生まれ。筑波大学体育系准教授。筑波大学硬式野球部監督。全日本大学野球連盟監督会運営委員、首都大学野球連盟理事・評議員。札幌開成高校時代には主将・外野手として夏の甲子園大会に出場。筑波大学時代も主将として活躍。筑波大学大学院修士課程を経た後、北海道の公立高校で4 年半監督を経験。2000 年12 月には筑波大学硬式野球部監督に就任。2006 年、秋季首都大学野球リーグ優勝を果たす。主にスポーツ選手の動作解析の研究を行っている。

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