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キタナイ! クサイ! クサイ!
なぜ汚れが発生するのか そして、どのように落とせるのか、防げるのか
本書は汚れの発生と消失を、化学的に解説する書である。
汚れにはさまざまな種類がある。たとえば、なにもしなくとも発生するホコリ汚れ、レンジまわりの油汚れ、シンクの水垢、浴室の黒カビや湯垢、トイレの黄ばみや尿石、そしてサビなどである。
そして各汚れに対して清掃効果を発揮する、さまざまな化学洗剤・化学物質が存在する。中性洗剤、アルカリ性洗剤、酸性洗剤、メラミンフォーム、アルカリ電解水、セスキ炭酸ソーダ水、クエン酸、防ぬめり剤・防カビ剤(次亜塩素系殺菌)、クレンザー(ケイ酸鉱物)などである。
本書では、これら作用の化学的メカニズムを解説、効率のよい汚れ落としと予防策を提案する、科学教養書である。
■目次:
第1章 汚れが発生するしくみと落ちるしくみ
第2章 生体と汚れ
第3章 衣料の汚れ
第4章 水回りの汚れ
第5章 日用品の汚れ
第6章 家屋の汚”
第1章 汚れが発生するしくみと落ちるしくみ
第2章 生体と汚れ
第3章 衣料の汚れ
第4章 水回りの汚れ
第5章 日用品の汚れ
第6章 家屋の汚”

本書は二段構えになっています。第一段は汚れ落としの技術解説です。衣服の汚れはどのようにして落としたらよいのか? 家屋の汚れはどのようにしたらよいのか? という、いわば汚れ落としのハウツーです。そして第二段は汚れ落としの科学的な解析です。中性洗剤はどのようにして汚れを落とすのか? 重曹が汚れ落としに役立つのはなぜなのか? 水垢落としにクエン酸が良いのはなぜなのか、という解説です。本書を読んでいただけたら、汚れ落としという何気ない働きのなかにいかに多くの科学と化学が詰まっているか、そして研究開発するためにいかに多くの先人が知恵を絞ってくれたかをご紹介します。

血液、卵、タンパク質の汚れはジアスターゼで分解
血液の汚れは新しいうちは落ちますが、古くなると頑固で落ちにくくなります。簡単で意外と有効なのが大根おろしです。大根にはタンパク質分解酵素のジアスターゼが含まれているのでこれを利用するのです。大根おろしを布にくるむとか、絞り汁を布に含ませるとかして汚れの部分に当てがいます。しばらくすると血液の色が落ちます。後は洗濯機などを用いて普通の洗濯です。

漂白剤と蛍光染料
漂白剤とトイレ用洗剤を混ぜると猛毒の塩素ガスが発生します。トイレ用洗剤には塩酸HClが入っていることを前提として、この両者を混ぜると、次の反応式に従って極めて素直に塩素ガスCl2 が発生します。(上図)エスクリンで染色すると、汚れの黄色がかった色がエスクリンの発する青白い光でマスクされ、輝くような白に変色しました。(下図)

軽度の油汚れには重曹+食器用洗剤+熱湯
換気扇やグリル、魚焼き器についた油汚れはべたべたして気持ちの悪いものです。軽度の油汚れには重曹+食器用洗剤+熱湯軽度の油汚れには重曹を使います。食器用洗剤と等量から2倍量ほどの重曹を熱湯に溶かし、そこに分解した換気扇を浸けて数時間置くと油の層が浮いて、そこをブラシやスポンジを用いて洗い流します。

シャワーの目詰まりにはクエン酸
目詰まりを解消するには、これら金属化合物の固形物を溶かさなければなりません。シャワーの目詰まりは、クエン酸水にシャワーヘッドを一晩浸けておき、翌日ブラシを用いて掃除します。シャワーヘッドの目に詰まっていた硬い塊は軟らかくなっているので、ブラシで簡単に落ちるでしょう。

スマートフォンの汚れ
スマートフォンの液晶ディスプレイには専用のクリーニングクロスで汚れを絡め取るようにします。ローラーのガムテープの上を転がしてホコリを転写したほうが簡単に復活します。もし粘着力が回復しなくなったら、メラミンスポンジで水をつけてこすり、キムワイプなどの毛羽立ちしないもので拭き取るとかなり粘着力が回復します。

化粧用スポンジ、ブラシの汚れ
化粧用品は意外と汚れていることがあります。基本的な洗い方ですが、ぬるま湯に1%ほどの濃度で中性洗剤を溶かします。この溶液にブラシの毛の部分だけを浸けて、汚れが落ちたら、ぬるま湯で十分にゆすいで洗剤を完全に除きます。タオルで水分を完全に除いたら乾燥です。筆を横にして放置します。
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化学的な観点から書かれた汚れと落とし方の解説書
4.0い〜ぐる汚れの種類(水溶性と脂溶性)とそれを落とす洗浄剤(石鹸、中性洗剤、重曹、クエン酸など)、及び洗浄のメカニズムを分子式まで動員して解説した本です。これを読めば何と無しに使っていた洗浄剤も汚れに合った物を選択出来るようになるので、有用性が高いと思います。例えば私は今まで中性洗剤一本槍で来ましたが、この本を読んでからセスキ酸やクエン酸を使って効率良くきれいに洗い物が出来るようになりました。衣類の漂白に付いても解説されており、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の使い分けができるようになります。その他鏡の汚れ、トイレの汚れなどにも言及しており、最後の方では体の汚れにまで説明がありました。ただ化学式や分子の模式図を使った解説なので、科学が苦手な方は敷居が高いかも。でも汚れと洗浄の原理を教えてくれる本は他に見たことが無いので、お薦めしたいと思います。
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TaHi
身の周りの汚れとその洗浄について網羅的に扱われており参考になった。つい周囲に汚れているものがないか探したくなった。科学とあるが、どちらかというと化学の観点からみられているようで少し偏りがあるかと思った。個人的にはもう少しヌメリの所を掘り下げて欲しかった。
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ふろんた
汚れの落とし方について化学的観点から説明しているので、応用がききそう。木工用ボンドが錆び取りに有効だとは知らなかった。 続きを読む▼
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ky
誰かが家政学部で理系、と自慢げに言っていたが、本書の1%も知らないだろう。石鹸で手がヌルヌルするのは角質のタンパク質が溶けているから。中性洗剤は強酸と強塩基。洗濯は水を溶媒、クリーニングは有機溶媒、で汚れを落とす。漂白剤は長い分子を切断して小さくし色を消す。蛍光染料はトチノキのエスクリン。エメラルドは合法的に鉱物油を含浸、乾燥下に長く放置すると油が抜けて透明感が失せる。ステンレスシンクに包丁を長時間置くと局部電池の放電が起きステンレスが腐食、錆びる。皮膚は45日ですべての細胞が入れ替わるターンオーバー。 続きを読む▼
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ジュリ
汚れが落ちる仕組みを科学的に解説し、場所やもの別に汚れの落とし方を解説した本。漂白剤ってなんで色が白くなるのか疑問だったけれど、その謎が解決した。科学的にわかると面白い。 続きを読む▼
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