SBクリエイティブ

[Si新書]料理の科学

齋藤 勝裕:著者

加工・加熱・調味・保存のメカニズム

わたしたちがふだん口にする料理は、食材にさまざまな化学変化をほどこしたものです。なにげなく行っている料理も、食材の化学変化の過程を理解することで、意図した味を実現できるようになります。本書は、加熱や加工、調味、保存などさまざまな工程における化学変化を解説。日々の食生活の質ををより高めるための知識を提供します。

■目次:
第1章 料理の科学
第2章 加工の科学
第3章 加熱の科学
第4章 調味の科学
第5章 保存の科学
第6章 素材を作るもの

定価:1,100円(本体1,000円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2017年6月16日(金)
  • ISBN:978-4-7973-9184-8
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:192
  • 付録:-
刺し身を洗うと水っぽくなる理由

物質を溶かした溶液Aと純水Bを半透膜で隔てておくと、純水Bは溶液Aに移動します。これが浸透圧の仕組みです。刺し身を水で洗うと、水が刺し身の細胞壁を通って、刺し身の中に入り込みます。その結果、刺し身の体液濃度は薄まり、水ぶくれ状態となるのです。

3種類の熱の伝わり方

熱の伝わり方には3種類あります。「伝導」と「対流」、それと「輻射」です。伝導というのは、熱したフライパンの熱が卵に伝わって目玉焼きができる原理です。対流は熱源により熱せられた空気が動いて熱を素材に伝えることです。オーブンやパン焼き窯がその例です。輻射は、熱源の熱が直接素材に伝わることで、備長炭による遠赤外線が挙げられます。

一番だしと二番だしの違い

水にコブを入れて火にかけます。沸騰直前に火を止めてカツオブシを加え、そのままふきんで濾したものが「一番だし」です。香りがよいのでお吸いもの向きです。このときふきんに残ったコブとカツオブシを改めて水に入れ、加熱して10分ほど沸騰させます。これを濾したものが「二番だし」です。味が濃いので味噌汁や煮物向きです。

著者紹介

齋藤 勝裕(さいとう かつひろ)
1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在は愛知学院大学客員教授、中京大学非常勤講師、名古屋工業大学名誉教授などを兼務。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学

関連商品のご案内

もっと見る

試し読み新着お届け

もっと見る