
美女とスパイ
何不自由ない生活を送る令嬢スザンナ。が、父親が何者かに殺され、さらに実父も昔に殺されていたことを知った。スザンナは子爵であり諜報部員でもあるキットと愛しあうようになり、ともに事件の真相を追う。
本書は、19世紀のイギリスを舞台に、美人三姉妹が生い立ちに絡む事件の真相を追うヒストリカル・ロマンス3部作の第1作です。『美女とスパイ』では末娘のスザンナが活躍します。
侯爵の跡取り息子と婚約しているスザンナは、何不自由のない生活を送っています。が、父親のジェームズが殺されると、借金のかたに屋敷を取り上げられたうえに、婚約も解消されてしまいます。スザンナは親戚の家に身を寄せますが、やがてジェームズとは血がつながっておらず、17年前に実父も殺されていることがわかります。やがてスザンナは子爵であり諜報部員でもあるキットと愛しあうようになり、ともに事件の真相を追うことに……
三姉妹は、幼い頃に失踪した母親から母親の姿を描いた細密画をもたされています。この細密画が、育ての父親と実の父親の殺人、母親の失踪の鍵を握るのでしょうか?
何もできない令嬢だったスザンナは、事件とキットとの愛をもとに成長していきます。ミステリの要素を巧みに盛り込んだヒストリカル・ロマンスです。